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2005/09/28(水)
一緒にいれた日
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今日は全女の同期、ともちゃんと目黒を歩いた。腰には違和感があるけど歩くのはなんとか大丈夫そうだ。
ともちゃんとはしばらく連絡がとれなかった。ともちゃんは全女を辞めた後、介護の資格をとり立派に第二の人生を歩んでいた。
「資格とってがんばってるなんてすごいね」って未来ちゃんとよくともちゃんの話をした。
でも私も未来ちゃんも一度はリングをあきらめ、残った者を憎んだ日々を送ったことがあるから、連絡をとれないともちゃんの気持ちはわかった。
私が格闘技を初めて「試合観にきてほしい」ってメールした時も返信はなかった。まだダメだったんだろうな。でも携帯が代わった時は連絡くれた。何年かぶりの連絡が訃報を伝えるためだったのが悲しい。
「怪我した自分が悪いのにさ、みんながうらやましくて、憎かったよ」私が言った。
「私も逃げたけどさ、まだプロレスやってるヤツが憎くてしょうがなかった」未来ちゃんもともちゃんもそう言った。
悔しくて情けなくてすごくうらやましくてしょうがなかった。本屋のスポーツコーナーも深夜のプロレスも見れなかったのはみんな同じだった。
「ともちゃんはやっとふっきれたみたいで、今度試合応援に来てくれるって」未来ちゃんはうれしそうだった。
一ヵ月前に申告しないと休めないともちゃんは結局試合に行けなかった。それを悔いている。「無理してでも行けばよかった」
私は二人で写真をたくさん撮っておけばよかったなってデジカメに入ってる写真を見る。いつでも撮れるしいっかって思ってた。
目黒にはもう全女の事務所も練習場もうちらの寮もない。跡地は駐車場になっていた。
巡業前による近くのampmやデニーズはなくなっていたけど懐かしい景色ばかりだった。
この坂マラソンしたね。二時に一番暑い時間でさ。きつかったね。角度ありえないよね。ヒール履いてたらおりれないの。このスーパーの半額セール狙ったね。このラーメン屋いったことある！
ずっと「おぼえてる？」「おぼえてる！」「そうだっけ？」「あったあった」って盛り上がった。
目黒駅で待ち合わせしたけど、駅着くまでは涙ぐんでて暗くて、でも改札見たら記憶があふれだしてきて、ともちゃんと会った瞬間、過去に戻ったような気持ちになった。
ちえちゃんに、また会える気がしてついつい探してしまう。
自宅に格闘ビーナスという雑誌が届いた。30日に発売される本です。
八月に未来ちゃんと撮影して、それが未来ちゃんに会った最後の日になりました。
お蔵入りも考えたそうですが、最後のグラビアとして発売の運びとなったようです。
広告出すまで発表しない約束だったので、日記は当日の夜書いて保管していました。
日記です。
下着屋めぐり。火曜は「格闘ビーナス」のグラビア撮影。未来ちゃんとのレズビアーン風衣裳の下着を探しているのです。
「かわいい系じゃなくてセクシー系」という注文なので黒メインで探索。
急に興行が入った未来ちゃんの分も探さなきゃ。せっかくだからお揃いにしよう♪
やっと３件目でパステルカラーベースにたっぷり黒レースがついたセクシーランジェリー発見。リボン紐パンがかわいい♪
未来ちゃんと私のテーマカラーがちょうどあったので（紫とピンク）決定です。
カメラマンさんはグラビアで有名な人らしく若い男性アシスタントが二人もついていました。
設定は「自宅でふざける二人（？）」。
まずはチャイナで撮影。脱がしっこして下着に。普段あーゆーコスチュームなので特に恥ずかしくもない。
下着姿でいちゃいちゃシーンの撮影してたら地震！！やけに揺れるし長い。
「うちら、この格好じゃ逃げられないよね」と二人で顔を見合わせる。私はさらにマスクだよ……。
撮影は無事終わり、私はアッパーの取材、未来ちゃんは練習に。
グラビアの出来が楽しみです！！
未来ちゃんのことを思い出さない日はありません。毎日がつらい。だからといって毎日毎日それを吐露するのは違うと思う。みんなつらいこと抱えながら笑ってるんだし、過去に生きてるわけじゃないから。
未来ちゃんの死は幸せな事では決してない。だからといって不幸な事にしたくない。
未来ちゃん自身もその思い出もすべて大事だから、「死」も不幸な事にしたくない。いつも未来ちゃんとは全女時代の苦労話で馬鹿笑いした。二人とも「過去が一番輝いてるのは嫌だね」って今までがんばってきた。「あの時はよかった」って言うのはさみしいよねって。それは他の同期も同じだと思います。
今日みたいに未来ちゃんの話題でたくさんたくさん笑いたい。今日、歩いてたくさん思い出した。今日はずっとあなたと一緒にいたと思います。
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