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2004/09/30(木) 月に帰りました アルちゃんは、2004年9月30日未明に月に帰りました。 1999年3月の私の誕生月に今年はウサギ年だからと、 母が買ってくれた時はまだ生まれて2週間くらいでした。 ポケットに入れて片手で持てたくらい小さかったです。 当時サッカーフランスＷ杯の年で、 私はアレックスことデルピエロが好きだったのですが、 そのオスの白いうさぎはかなりやんちゃで凶暴。 一日目にしてまだ生えてるかどうかの歯で噛みました。 これはと・・アルゼンチン代表のアルメイダに命名。 アルちゃんは約６年も長生きしてくれたのですが、 本当に手間をかけずに、最後まで手間をかけずに逝ってしまった。 小さい頃は日記をつけていたのです。 写真はそんなに多くはありませんがあります。 感謝の意味でもそれをまた公開しようと思います。 先月の日記に最近のアルの姿がありますね。 嘘のようです。台風の翌日なんて・・台風は気圧が変わるので 気をつけないといけないと、うさぎさんのサイトにありました。 台風の前日まではあんなんだったのに・・ でもここ１週間、餌を食べず水も飲まずだった。 お医者に見せて水も飲ませ野菜をようやく食べだしたところ、 １年に２、３回絶食するんですが、ケロッと元に戻る。 それが今回はだめだった。 アルちゃんは、実は私が自分で最初に飼った動物。 うちの母が動物好きで犬を何度も飼ったのですが、 それとはまた違うんですね・・ 友達にもすごく世話になり、本当のところ最後の1年半は アルは友達の世話になっています。 うちのマンションより友達の一軒家の方がいいということで。 アルちゃん今までありがとう！ 友達のおうちのお庭に埋葬しました。 花を植えようと思います。 来年またうさぎを飼うと思う。 その時はまた名前を借りる。同じ毛色のうさぎで・・ これはアルがうちの狭いマンションにいたころ。 情報誌のじゃまーるが年代を感じさせる。 もっともっと写真を撮れればよかった・・ 私のサイトは結構アルの似顔絵やら画像が貼られてる。 アルのことをまとめることは、自分の生活もふりかえらなきゃ いけないので勇気と時間がいります。 でも一緒に時間を共存してくれた、まるで兄弟のような存在。 もしかしたら童話みたいなフィクションと現実の交差で、 小説風のものを公開するかもしれません。 私のアル絵も挿絵みたいに添えれたらと思います。 と、前向きに振り返るしかありませんね。 久しぶりにＥ．Ｔ．が見たくなりました。

2004/09/28(火) アルちゃんもアップ 同じくFOMAで。 でもこれは望遠だからぼけた。

2004/09/27(月) 髪切った 髪、切りました。 友達のFOMAで撮ったんだけど、 最近の携帯カメラって、すごいわな・・ おっきくしても劣化が少ない。 買い換えようかな・・ 200万画素くらいだ。 下の大阪でのは、私のｐ504is 20万画素くらいですから・・

2004/09/20(月) LOVERS2回目 一週間ぶりにまた見てきました。 あちこちのサイトで、何回も見られてる人って・・と 思いつつ、実は私も二度も見てしまった。 ひとりで映画を見に行けない人なので、 誘って付き合ってくれる人も少なく（恋愛映画だからねぇ） 自分の都合もあり、これがもしかしたら最後かも。 もう次のタイムテーブルとか出ているし、来週まででしょうか。 ちょっと映画館まで遠いし・・・ 先に見たのが大阪の劇場でも大きいスクリーンでしたので、 今回は普通によくある横長の小劇場スクリーン。 もう下火になってるとはいえ、祭日ということもあり、 半分くらい埋まってました。レイトで半分は優秀？ 若い女の子（おそらく金城人気）４の割合と中年の男の人 （おそらくツィイー見たさ）１の割合といったところ。 いや、アンディ・ラブのファンもいるのかもしれないが・・ スクリーンが横長でも映画が縦の映像が命（飛び系）なので、 真ん中よりだいぶ前に座りました。 友達は首が痛いと嫌がりましたが・・横長ですからね。 もっと前に座りにきた人もあとからいた・・ とにかくほとんど私たちの後ろが埋まっていた。 １０の７くらいの前にいたのです。 終わってみるとやはり大阪と同じように、灯りがつくまで 席を立たないのですよ。重いもんなあ・・ 連れも感動したと言ってましたが、感動しつつ「濃い！」 と繰り返しています。これがリピーターが増えるわけか。 つまり感動できた人は、なぜなのかその意味が知りたくて また来るのでしょうか。濃いのにまた見たい。 救いようがないのに意味を知りたいと。 うん、私は過去に同じように3度見た映画がありましたよ。 救いようがない＝二度と見たくないだったのは、 海のうえのピアニスト　グリーンマイル　アメリカンビューティ 一回だけでいい。はっきり言ってどうでもいいくらい暗い。 救いようがない＝でもまた確かめたいのは、 シックスセンス　ファイトクラブです。 これは別の人の角度で見たかったのと、きちんと確かめたいと。 これとLOVERSを比べるのもなんですが、別の人の角度で見たい、 それはあります。それと、この映画も含め救いようがない シリーズのこれら６作品、４つも泣いているんです・・ 泣けなかったのが、海のうえのピアニストと、 ファイトクラブ（これは当たり前か）で、 シックスセンスは泣けるとの前評判なのに泣けなくて、 確かめに行ったのです。見方を変え感動しました。 LOVERSの場合、最初見たときにツィイーの気持で見て、 一番幸せな不幸を選んだ彼女と置いていかれたあわれな男たちに、 おもいっきりの救いようのなさを感じ泣けました。 そして今回、脚本のアラと中華圏以外の俳優の吹き替えも含め、 ツィイーに泣けたのだからもしかしたら男たちはあんまり・・ と期待せず見たのです。 ところが、吹き替えが一部あったことなどどうでもよく（演技が 言葉より勝っていたことは確認）脚本のアラはさておき、 ツィイー以外に感情移入できるのか？は・・ 異性ですからなんともいえません。 が、まずアンディ・ラブです。一度目は、こんなひつこい男、 どう見ても嫌！と部外者的に見ていたのに、今回は 注意して見ていたので、なんか哀れであのラストもわかる気が。 でもツィイーを悪女とは思えない。 そして金城武（二度目も特に思ったけどオーランド弓使いだ） わかりにくかった彼の気持がよくわかった。 ツィイーが最初の方から惚れかけている・・のに疑心半々、 中途半端に逃げようとしてる表情や、流れのままのところや、 結局金城は観客に一番近いんじゃあないかな？ この役も結構難しい。よくある役ですが、観客と同じ被害者 （例えは違うかもだけど）こういう役がうまいのが、 マット・ディモンやブラッド・ピットかな。 つかみ所がないし、周りは自分中心にことが動いていくのに わかっていないという・・ つまり置いていかれちゃってるのに、本当は彼が原因なんだ。 それをわかっていない・・ それを考えると、アンディの気持が最大に理解できる。 （きっかけを作ったのがアンディなんだから 自分にもむかついてたり） そう！救いようのない愛憎劇なんですよこれは。 そう見ていくと、脚本のアラや景色の移り変わりなど どうでもよくなる。 3日で恋に落ちることが理解できないと金城が言い、 「愛に理由はない」イーモウ監督。 観客も理解できない金城と同じだと思う。 それがツィイーとアンディが進めていくものだから、 理由のない愛に落ちる演技ができたのかもね。 無垢さの勝ちですかね。と、わかったようなコメント。

2004/09/13(月) 三日目は梅田 久々に行った大阪では、 三日かけてたくさん回れました。 最終日は梅田。 ごはんは梅田地下街でウナギ。和食、そういや昨日お寿司も・・ 梅田はヨドバシカメラ、地下街とエスト１、大中はもちろん 行った。けど似ているようで微妙に子供受けの宇宙系は苦手。 地下街は食堂も多くおいしい。食べ物屋は難波より梅田。 働く人は安くおいしい方がいいんだろうな。 夕方までいてて、フェリーまで送ってもらい帰る。 また来ます第二のふるさと。 また会えます。

2004/09/12(日) 難波が異国!? 本日は昨日行けなかった日本橋と難波。 日本橋はパソコンも見れるし中古お宝も探せる。 けど今回は洋楽や漫画ではなく特殊なもの。 なかった・・仕方なくスペーストラベラーズを買う。 難波駅にはびっくり！南海難波駅、あのでかい正面の 映画館がなくなってる・・さらに何店舗か消えていた。 行きつけの店がないのは面白くない。 あまりに暑いので不二家で氷を食べ、駅周辺をぶらつく。 3連単が今年できたＪＲＡに久しぶりに行き、 しばらくして終わったことを確認し日も暮れてきたので、 道頓堀へ向かう。さて昨日から街の変わりようには驚く ばかりだったが、この道頓堀よりはましだ。 川向こうが見えないくらい、これでもかとでかいビルが建つ。 ジョージアの全面広告。アサヒビールも負けていない。 あちこちに広告ビル。でかいゲーセン複合ビル。 この有様に思わず「ここ、香港？シンガポール？」 連れも「この多国籍は何なんだ」と立ちつくす。 そこらを歩く人もみんな上を見回している。 異様だ。川向こうを見てまためまいがした。 観覧車だ！梅田には負けるが観覧車がビルの上に・・ ここは何なんだ！この統一性のないおもちゃ箱は何・・？ ごった返した街の中にひっそりと？大中のような主張をする 店があった。（大中とは中華雑貨屋）結構好き。 ラーメン屋なんだけど実はラーメンが私は苦手。 豚肉が食べれないのと濃いのがだめで。 立地と匂いで入った。 立地とは、有名な金龍ラーメンと、かもくらの前に新しく 出来たみたいで、すごい度胸だと確信。 しかもものすごくいい匂いがした。連れは「金龍だろう」と言う。 でもそれは、その店（希望軒）からのもの。 タイムスリップしたようなレトロな外観。この画像が入り口。 店内は赤と黒で天井はなぜか電線！若い客ばかりだ。 餃子とチャーハンと、塩ラーメンを食べた。 塩なのに醤油味で透き通っていて、肉油が浮いており 肉臭さがなくまろやかでした。次回は味噌も食べてみたい。 それから3時間歌い熟睡。 楽しかった！ この画像・・腹出てますが携帯カメラのせい！？ おまけにパンツの上に上着巻いてるし・・

2004/09/11(土) 久々に旅行 1月末以来の大阪。 今回は天王寺阿倍野から。かなり昔に行った阿倍野駅は、 変わっておりたくさん新しいビルが建っていました。 わりと四国から近い大阪は探し物散策にもってこい。 横山光輝ものを集める予定でしたが、名作は集めたしさてでは 今回は？金城武ものです。ネットでお店も探したし。 京橋の仲好しさんと天王寺へ。「こんなきれいやったか！？」 と、びっくりするほど都会になっていた。 まずネットで発見したチャイナセンターという中華スター店へ。 武ちゃん（とファンの間のお約束名、どうしても武＝北野を連想） のものが売り切れ状態（あるのは高いものばかり） 職場でなぜか頼まれたアンディ・ラウのものも買い（多い） 私は武君の（ちゃんはねぇ・・）、 チョコレートセットとシール買った。 中華というのに、ペ・ヨンジュ？のものもある・・ アレはどう見ても坂崎幸之助だと思うが・・・ で、ＬＯＶＥＲＳを見たのですが、大正解でした。 ここのスクリーンがでかい。視界に入りきらない（特に縦） 複合型によくある横長のスクリーンに嫌気がさしていたので、 昔に戻ったかのような迫力。この映画の感想はまた、 シネマパラダイスのほうへ後日。 泣けてしまったのです。席を立てなかった。 なんかラストあたりが濃すぎて普通ならひくんだけど、 そのあとの哀しくきれいな音楽と余韻・・ 映画館で見る映画というものを久しぶりに見た。 こういうのは脚本とかアラなんか忘れる。迫力です。 一緒に行った人は不幸にも2回目ということもあるけど、 「そうかぁ？別にいいと思わん」と、覚めていた・・ だめ、脚本のアラを読んだら。踊りや目線を見なきゃ。 泣いてた人結構いてたし。 本日は他にどこも行かなかった。明日もあることだし。 ごはんはお好み焼き。

2004/09/08(水) 現代の解釈 まだまだ良い世界があるので、また漫画館の方で 紹介していこうと思います。今のところ、 中原中也と、中島敦。あと、唐の時代（あってるかな） の李白や杜甫など・・ 秋日狂乱 僕にはもはや何もないのだ 僕は空手空拳だ おまけにそれを嘆きもしない 僕はいよいよの無一物だ 　　　　　　　　　　（これは、出だしから現実を持ってきた） それにしても今日は好いお天気で さつきから沢山の飛行機が飛んでゐる ――欧羅巴（ヨーロッパ）は戦争を起すのか起さないのか 誰がそんなこと分るものか 　　　　　　（いきなり天候の話に飛んで、戦争の話！） 今日はほんとに好いお天気で 空の青も涙にうるんでゐる ポプラがヒラヒラヒラヒラしてゐて 子供等は先刻（せんこく）昇天した 　　　　　　（そしてまた、天候の話、でまた世相だ・・） もはや地上には日向ぼつこをしてゐる 月給取の妻君とデーデー屋さん以外にゐない デーデー屋さんの叩く鼓の音が 明るい廃墟を唯独りで讃美し廻つてゐる 　　　　　　（ここまでくると抒情詩、陽水の傘がない） あゝ、誰か来て僕を助けて呉れ ヂオゲネスの頃には小鳥くらゐ啼いたらうが けふびは雀も啼いてはをらぬ 地上に落ちた物影でさへ、はや余りに淡（あは）い！ 　　　　　　　（文が難解でよくわかりません、でも伝わる） ――さるにても田舎のお嬢さんは何処（どこ）に去（い）つたか その紫の押花（おしばな）はもうにじまないのか 草の上には陽は照らぬのか 昇天の幻想だにもはやないのか？ 僕は何を云つてゐるのか 如何（いか）なる錯乱に掠（かす）められてゐるのか 蝶々はどつちへとんでいつたか 今は春でなくて、秋であつたか 　　　（もう、ここらで曲に載せるとしたらばサビです） ではあゝ、濃いシロップでも飲まう 冷たくして、太いストローで飲まう とろとろと、脇見もしないで飲まう 何にも、何にも、求めまい！…… 　　　　（よく読むとすごい世界、詩がリズムを持っている） そしてこのすごい詩・・！ 春日狂想 　　　１ 愛するものが死んだ時には、 自殺しなけあなりません。 愛するものが死んだ時には、 それより他に、方法がない。 けれどもそれでも、業（ごふ）（？）が深くて、 なほもながらふことともなつたら、 奉仕の気持に、なることなんです。 奉仕の気持に、なることなんです。 愛するものは、死んだのですから、 たしかにそれは、死んだのですから、 もはやどうにも、ならぬのですから、 そのもののために、そのもののために、 奉仕の気持に、ならなけあならない。 奉仕の気持に、ならなけあならない。 　　　２ 奉仕の気持になりはなったが、 さて格別の、ことも出来ない。 そこで以前（せん）より、本なら熟読。 そこで以前より、人には丁寧。 テムポ正しき散歩をなして 麦稈真田（ばくかんさなだ）を敬虔（けいけん）に編み―― まるでこれでは、玩具（おもちや）の兵隊、 まるでこれでは、毎日、日曜。 神社の日向を、ゆるゆる歩み、 知人に遇（あ）へば、につこり致し、 飴売爺々（あめうりぢぢい）と、仲よしになり、 鳩に豆なぞ、パラパラ撒いて、 まぶしくなつたら、日蔭に這入（はひ）り、 そこで地面や草木を見直す。 苔はまことに、ひんやりいたし、 いはうやうなき、今日の麗日。 参詣人等もぞろぞろ歩き、 わたしは、なんにも腹が立たない。 　　　　（まことに人生、一瞬の夢、 　　　　　ゴム風船の、美しさかな。）［＃「（）」は底本では二重の丸かっこ］ 空に昇つて、光つて、消えて―― やあ、今日は、御機嫌いかが。 久しぶりだね、その後どうです。 そこらの何処（どこ）かで、お茶でも飲みましよ。 勇んで茶店に這入（はひ）りはすれど、 ところで話は、とかくないもの。 煙草なんぞを、くさくさ吹かし、 名状しがたい覚悟をなして、―― 戸外（そと）はまことに賑やかなこと！ ――ではまたそのうち、奥さんによろしく、 外国（あつち）に行つたら、たよりを下さい。 あんまりお酒は、飲まんがいいよ。 馬車も通れば、電車も通る。 まことに人生、花嫁御寮。 まぶしく、美（は）しく、はた俯（うつむ）いて、 話をさせたら、でもうんざりか？ それでも心をポーッとさせる、 まことに、人生、花嫁御寮。 　　　　　３ ではみなさん、 喜び過ぎず悲しみ過ぎず、 テムポ正しく、握手をしませう。 つまり、我等に欠けてるものは、 実直なんぞと、心得まして。 ハイ、ではみなさん、ハイ、御一緒に―― テムポ正しく、握手をしませう。 今の時代、フォークや風刺曲があるのは、こういう血を吐くような そして、少女のような繊細な人が残してきたからでしょう。

2004/09/07(火) のちの想い 中也の詩はオマージュ以上の影響を与えていると思う。 あらゆる詩が歌詞となり、どこかでいつかの時代に・・ 汚れつちまつた悲しみに…… 汚れつちまつた悲しみに 今日も小雪の降りかかる 汚れつちまつた悲しみに 今日も風さへ吹きすぎる 汚れつちまつた悲しみは たとへば狐の革裘（かはごろも） 汚れつちまつた悲しみは 小雪のかかつてちぢこまる 汚れつちまつた悲しみは なにのぞむなくねがふなく 汚れつちまつた悲しみは 倦怠（けだい）のうちに死を夢む 汚れつちまつた悲しみに いたいたしくも怖気（おぢけ）づき 汚れつちまつた悲しみに なすところもなく日は暮れる…… 頑是ない歌 思へば遠く来たもんだ 十二の冬のあの夕べ 港の空に鳴り響いた 汽笛の湯気（ゆげ）は今いづこ 雲の間に月はゐて それな汽笛を耳にすると 竦然（しようぜん）として身をすくめ 月はその時空にゐた それから何年経つたことか 汽笛の湯気を茫然と 眼で追ひかなしくなつてゐた あの頃の俺はいまいづこ 今では女房子供持ち 思へば遠く来たもんだ 此の先まだまだ何時までか 生きてゆくのであらうけど 生きてゆくのであらうけど 遠く経て来た日や夜（よる）の あんまりこんなにこひしゆては なんだか自信が持てないよ さりとて生きてゆく限り 結局我（が）ン張る僕の性質（さが） と思へばなんだか我ながら いたはしいよなものですよ 考へてみればそれはまあ 結局我ン張るのだとして 昔恋しい時もあり　そして どうにかやつてはゆくのでせう 考へてみれば簡単だ 畢竟（ひつきやう）意志の問題だ なんとかやるより仕方もない やりさへすればよいのだと 思ふけれどもそれもそれ 十二の冬のあの夕べ 港の空に鳴り響いた 汽笛の湯気や今いづこ

2004/09/06(月) 中原中也 冬の夜 みなさん今夜は静かです 薬鑵（やくわん）の音がしてゐます 僕は女を想つてる 僕には女がないのです それで苦労もないのです えもいはれない弾力の 空気のやうな空想に 女を描いてみてゐるのです えもいはれない弾力の 澄み亙（わた）つたる夜の沈黙（しじま） 薬鑵の音を聞きながら 女を夢みてゐるのです かくて夜は更（ふ）け夜は深まつて 犬のみ覚めたる冬の夜は 影と煙草と僕と犬 えもいはれないカクテールです 　　　２ 空気よりよいものはないのです それも寒い夜の室内の空気よりもよいものはないのです 煙よりよいものはないのです 煙より　愉快なものもないのです やがてはそれがお分りなのです 同感なさる時が　来るのです 空気よりよいものはないのです 寒い夜の痩せた年増女（としま）の手のやうな その手の弾力のやうな　やはらかい　またかたい かたいやうな　その手の弾力のやうな 煙のやうな　その女の情熱のやうな 炎（も）えるやうな　消えるやうな 冬の夜の室内の　空気よりよいものはないのです まるで桜井和寿の歌ですね（ぱくりか桜井） いえ、オマージュです。 桜井君のサ行がきちんと言えない歌唱で、 曲をつけて歌ってもらいたい。

9月絵日記の続き

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