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2008/04/08(火)
ルナック
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数年前、北軽井沢のペンションが1軒、つぶれた。 ワンコ大歓迎のペンションで、そこには30数頭もの犬も 飼われていたらしい。
オーナーはドロン☆ 売れる犬は業者に売られたという話。 その他は北軽井沢に捨てられ、徘徊していたりして、保健 所に収容されてしまったらしい。
犬橇の仲間が北軽井沢から連絡を受けて駆け付けた。 保健所から引き出して、治療した。 けど状態の悪い子は手当ての甲斐なく亡くなった子もいた。
その中にAハスキーの母子がいた。 犬橇用の特殊な犬種ってのもあり、犬橇の仲間達が保護した。
母犬は「ルナック」。 白いAハスキー。 彼女は娘さんが2人いる心優しいご家庭に引き取られた。
そこの家にはAハスキーが2頭いたのだが、走る事もままな らない、ペット化していたAハスだった。 2匹を何とかAハスキーらしく再教育させよう。 となり、ルナックが2匹の先生になった。
もうお年になっていたルナックは、2匹の若い娘Aハスキー を連れて、バラギのコースをひた走った。
彼女がどこから来たのかも分かった。 そしてなぜあのペンションにいたのかも。 数奇な運命に翻弄されて、危うく処分という形で命を落とす ところだったルナック。
2匹の生徒を立派にして、幸せな余生を送っていた。 去年から痴呆もでてきたらしいが、大切にされていた。 しかし今日、犬橇の仲間からの連絡で、 「もう立てなくなった。そろそろ危ない」 という話を聞かされた。
賢明に若い2匹を連れて雪原を走るルナックの姿が今も目に 焼き付いている。 今月末の花見の席では久しぶりに会えると思っていたのに…。
最期まで彼女は橇犬として、次の世代に自分の身に付けたも のを託して、旅立っちゃうんだね。 立派な仕事を全うしました、ルナック。
最期は、初めて犬を見送るという娘さんたちに大きなものを 残してあげるんだね。
でももうちょっと頑張れよ、ルナック!
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