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2005/07/11(月)
無題
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どうしても書きたい事がある。多くの人にとっては気にも留めないようなことなのかもしれないが、書いて、このネット空間に記しておきたいことがある。 今日、プロレス団体ZERO ONEの社長でありレスラーの橋本真也選手が脳幹出血で急逝した。享年40歳だった。 小柄で肉のついている体に反して、得意技はロー・ミドル・ハイと繰り出される蹴り技。その体重をかけて相手をなぎ倒す姿から、重爆キックと呼ばれていた。 その彼と死闘を繰り広げ、一度は引退にまで追い込んだ元柔道金メダリスト小川直也とはライバルであり親友でもある。筋の通らないことは認めず、先輩レスラーである長州力とセメント試合を行い、新日本プロレスを退団するその男気には少なからず羨望の想いを禁じえなかった。 だが、もしこの選手が亡くなっても自分は悲しまない。そう思っていた。日頃から知人と、彼にまつわるアホなネタで笑いの対象にしていたからだ。物真似をして大笑いしていたからだ。つまり、ネタとして橋本真也という人間を値踏みしていたのだ。 様々な試合を実況し、現在ニュースキャスターである古館市郎がこう語った。 「医師はプロレスとは関係のない事故と言っておりましたが、私はそうは思えません。とてもそうとは思えません。受身の取りにくい技を何度も受け、ファンもそれで興奮し、技もどんどん危険なものにエスカレートしていく…私は彼の死は、『殉職』と言って差し支えないと思います」 涙が出た。 彼を見世物としてではなく、人間として好意を持っていたのだと初めて気づいた。 とある俳優がプロレスに対し「結局ボクらは『伝説になっていく者共』を見たいんだ。わがままだねえ」と語っていた。 ようやく、意味が解ったような気がする。 しかし、彼は、もういない。 鎮魂歌「青春の蹉跌パート3(大槻ケンヂ)」
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