新型・日記
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2004/02/07(土) 行く行かない以前の問題。 (真面目日記)
 @「任務をしっかり遂行して、無事に帰って参ります!」
 A「戦地へと赴く○○君!万歳、万歳、万歳!」
 B「行けと言われれば、いつでも行かせていだだきます!」
 
 @、A、Bとも、第二次大戦時に召集された兵隊達の言葉である。政府の不確実な情報の下、戦地へ派遣され、命を失った、多くの兵隊達の言葉である。実は最近、これらの言葉が復活した。
 @はイラクに赴く航空自衛隊先発隊隊長の言葉として全国に報道された。Aは、「戦地」を「イラク」に、「○○君」を「自衛官諸君」に変えてみれば分かる。旭川の自衛隊基地で合唱された、万歳三唱の言葉である。Bは、いつの時代も変わらない、軍隊で部下が上官に向かって発する言葉である。
 イラクは戦地である。サマワが安全かどうかなどは調べる由もなく、戦地である。日本政府が絶大なる信頼を寄せているアメリカ自身が「イラクのいかなる場所も戦地である。」と発表している。しかも、自衛隊の先遣隊が持ち帰ったと言われる報告書(サマワ付近の治安は非常に安定しているという内容のもの)は、先遣隊がイラクへ赴く以前にすでに書かれていたものである。つまりこれは、真実ではなく、日本国内で作成した極めて不確実なものである。
 イヤな予感がする。あのような言葉を発した自衛官が戦地に赴く。政府の不確実な情報に基づいてイラクへ派遣される。例えサマワで全員が安全に任務を遂行し帰ってきたとしても、政府はこれを足がかりにして世界各国に自衛官を送り込む腹づもりであろう。
 そもそも自衛官は、イラクの地で武器を持ち込み、何をしようというのか。オランダ軍に守られて、何をしようと言うのか。給水活動や戦後復興の補助という話は聞くが、それ以上は任務の遂行に支障が出る可能性があるため、詳しくは公開できないという。まさに戦時中の情報統制である。国民は知ることを許されない。知る権利を行使することができない。
 仮に給水活動や復興の補助をするとしても、それは現地の人々のためになるものなのだろうか。水はそこそこ足りている。給水設備を整備すれば問題はない。食料も世界中から届き始めている。彼らが欲しているのは仕事である。復興支援と称していろいろな活動をすることが、彼らの仕事を奪うことにならないだろうか。彼らは迷彩服を着た軍人ではなく、スーツを着た民間人を求めている。実際現地の人々は、日本の企業が来て仕事を与えてくれると思って喜んでいる。そんな彼らの期待を裏切ることにはならないだろうか。
 復興支援は何も、自衛官がやる必要はない。日本の民間人が行き、技術指導をし、彼ら自身に復興活動をしてもらえばいい。本当に安全ならば民間人が行っても問題はないだろう。安全ではないから訓練を受けた自衛官が行くのではないのか。安全ではないから精鋭揃いの旭川の部隊を派遣するのではないか。もう、この時点で矛盾が生じている。

 ところで、自衛隊はオランダ軍に護衛してもらって行動している。もし彼らが襲われたとき、自衛官はどのように行動するのだろうか。
 まず、自衛官にたいして発砲がなされたとき。このときはもちろん、自衛官は相手に対して発砲することができる。
 では、隣で自衛官を守っているオランダの隊員に対して発砲がなされたとき。このときは、(一部の条件を除いて)自衛官は隣でオランダの隊員が応戦しているのを見ているしかない。集団的自衛権の行使は禁止されているので、オランダ軍と共に自衛隊が戦闘活動することは認められていない。もし共に戦うようなことがあれば、その自衛官は日本の法律によって裁かれる可能性もある。オランダの軍人からすれば、いざというときに自分を守ってくれない自衛官を守る理由がどこにあるのか、疑問に思うことだろう。
 このような問題があると、必ず憲法を改正せよという話が持ち上がるが、そもそもこれほど矛盾した状況になるのをわかっていながら自衛隊を派遣すること自体が間違っている。どうせ自衛隊を派遣するなら、民間の技術者の護衛のために派遣するべきであろう。それならば誰が撃たれても堂々と応戦できる。
 非常に不謹慎な話であるが、個人的には自衛隊がある程度大きな被害を被って帰ってきてもらいたい。痛い目に遭わないとわからないこともあるだろう。その時、日本国民はどう考えるのか。もう血を流したくないと考えるのか。それとも、やり返せ、報復だ、と色めき立つのか。非常に興味深い。

 自衛隊の派遣は反対だと唱えると必ず、「現地で一生懸命に活動している自衛官に失礼ではないか。このような時に応援するのが日本国民の義務である。」と言われる。「戦地で一生懸命に戦っている軍人に失礼ではないか。このような時に応援するのが日本国民の義務である。そうでない者は非国民だ。」といった戦時中の言葉が思い出されるのは、私だけであろうか。


 余談だが、現在の防衛庁長官である石破長官は、根っからの軍事マニアである。戦艦のプラモデルを組み立ててキレイに塗装するというのだから、なかなかのマニアっぷりだ。自衛官を派遣するときに挨拶したのだが、彼のあれほどうれしそうな表情は見たことがない。手元にある軍隊を自分思うように動かしているのだから、まんざらでもないだろう。そんな人間に自衛隊を任せていいものか。電車マニアにラッシュ時の山手線の運転を任せるようなもので、非常に危険なように思える。


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