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2004/04/25(日)
近藤勇命日に寄せて 『墓標』
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『 墓標 』
一つの時代が終わりを告げた 去りゆくその背中がいかに大きかったか 気付く者はまだいない
冬の日も 春の日差しの中も 時は絶え間なく流れ 新たな時代の空気を連れて来るというのに
失われた時間は 厳然としてそこに在り
夏の日も 秋の風の中も 懐かしい焦燥を運んでくる
まだ涙は流せない だが今 何よりも素直に 泣きたいと思う
喉元で止めたあの日の言葉は 時代に抗う力を 友を引き留める力を わずかでも持っていただろうか
風が吹き 静かに頬を撫で まぶたの裏に鮮やかな残像を残し 寂しい程の眩しさを伴って
今 確かに 時代は終幕を迎えたのだ
まだ涙は流せない だが今 誰よりも素直に
泣きたいと思う
― 4月25日近藤勇命日に寄せて… ―
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