インド日記
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2004/12/31(金) 2004年も終わり
明日は西暦2005年。インドでは州ごとに新年が異なるので
あまりニューイヤーの感はないが、特に先日の地震で
誰もあまりお祭り気分になれないのだろう。
同級生たちも南インド各地から来ているため、実家の近くまで
被害にあった子もいる。
幸いみんな無事だったらしい。

さて、インドに留学して6ヶ月が経とうとしている。
この半年間は嵐のように過ぎ去ったが、勉強していることが
身につくのはすごくゆっくりなので、2年半後自分が果たして
目指すレベルまで達することができるのか、しばしば不安に
なる。しかしこちらの先生方のキャリアは20年、30年なので、
たかが3年と思って、できるだけのことを身につけるしかない。
勉強を続けていられることだけでも感謝しなければ
とつくづく思う。
一年の計は元旦にありというから、明日も朝から
レッスンに行こう。

2004/12/23(木) CHENNAI SEASON 2004-2005その5
今朝は南インド音楽3大楽聖の一人のMuttuswami Dikshitarの曲
についてのレクチャーに参加。この作曲者は自分の曲のラーガ名
を歌詞に含むことが多い(ラーガムッドラ)。ムッドラはダンスの場合ハスタがそれに当たるが、印という意味だ。
講演者はB.Madhavanというご高齢の方で、最初は声が出にくそうだったがそのうち朗々とデモンストレーションで歌ってくれた。
30曲ほど(全部ではないが)歌ってもまだ続けそうだったので
さすがに主催者がそろそろ終わりにしましょうかという合図
を出した。

夜はMalavika Sarukkai のリサイタルに行く。この方はインド人だけでなく外国の
人にファンが多いように思う。私もご多分に漏れずファンなので期待して行った。
ヴァルナムはラーガマーリカでマラヴィカさんでなくては踊りこなせないような複雑なターラを駆使してあった。
この人は自分の魅力を最大限見せることをよく知っているので、
人が振りつけたものはあまり踊らないように思う。ポーズなんか
寺院の彫刻そのものという感じだ。横から、斜めから、顔が一番
きれいに見えるところでぴたっと止まる。
歌手のM.S. Subbulakshmiさんの追悼のため、後半演目に彼女の十八番である「Bavayami」(ラーガ Yamankalyani)に振付けて踊った。
このラーガは「クリシュナニーベーガネバーロー」と同じといったらわかる人も多いかと思う。
ラサはVatsusariya Sringara(母親の愛情)で、マラヴィカさんの別の魅力が見られた。

そして「ハヌマーンとラーマの最初の出会い」というようなアビナヤアイテムを踊る。
主人公が猿なのでジャンプがたくさん出てきて、スタミナは大丈夫かなあと心配たが、かなり息切れはしていたもののすばらしいBhaktiラサが見られた。
マラヴィカさんのハヌマーンは再演らしいが(入野さん談)、貴重なものを見られた。

そしてさらにティッラーナ。着替えもなしで1時間半
踊り続けていた。

この方はシャープな動きだけでなくアビナヤもよく研究されているので見ごたえがあり、見終わった後「ああよかった」と毎回思える。

2004/12/22(水) CHENNAI SEASON 2004-2005その4
今朝はレクデモ「リサイタルにおけるパダム」に出席(無料)。
講演者はLavanya Ananthというダンサーで、まだお若く見えた。
要はアシュタナーイカ(8種のヒロイン)を題材にしたいろいろなパダムのデモンストレーションで、前々日の大御所カラニディナーラヤーナンと同じアイテムもあり、80何歳の方と20代のダンサーの演じ方の違いが見られて興味深かった。
8種のヒロインそれぞれにさらに年齢分けや、階級なども分かれているので演じる人によって全く印象が違う。ダンサー自身の得意な分野、性格が垣間見える。
80何歳の人でも10代のヒロインを演じられる。

夜はバイオリンデュエット−カニヤ−クマリ(女性)とエンバルカンナン(男性)を初めて拝見した。声楽のコンサートと同じ形式を踏んでいるのだが歌詞というものがないのでまた違って聞こえる。
女性のほうが技術は上に見えた。
バイオリンをアンプにつないでいたので、いろいろエフェクター
で音色を変えることもできるよう。


2つの全く異なるラーガ交互に弾くというものが面白かった。
バイオリン、ムリダンガムともに両手がふさがっているので、誰もターラを打てないわけだが、ひとつもミスがなく最後きっちり合うのは感心する。

2004/12/21(火) CHENNAI SEASON 2004-2005 その3
3日目になると朝起きられないくらい疲れが残っている。

また朝から「カルナティック音楽における、ポピュラーな演劇音楽」
をいうレクデモに参加。
この教授は知識もさる事ながら、歌唱力もなかなかのものだった。
きっと歌手でもあるのだろう。
いろんなナータカム(演劇)の名前をあげていたが、メモする暇もないくらいだった。
古典演劇ではカルナティック音楽がエッセンスの様なものだ、
といっていた事と、登場人物によってラーガが使い分けられている
というのは印象に残った。

夜はマレーシア出身のマーヴィン.クーのバラタナティヤムを鑑賞。
Adiyar.K.Lakshman さんの弟子で、師匠自らナットヴァンガム&ヴォーカル
も務めていた。前に来日された折、拝見したが、
その時よりずっとアビナヤが良くなっていた。
メイクのせいか京劇の女形のような印象+頭を剃っていたので
オレンジ色の衣装とあいまってお坊さんが踊っているようだった。
ジャティーは超のつくスタミナとのびのびした印象で
ジャティスワラム、ヴァルナム、ティッラーナそれぞれ
かなりの長さだったが、ほとんど休みなく踊り続ける。
ヴァルナムの後のパダムはシュンガーララサの非常に
ゆっくりとしたもので、見せ場では客席が静まりかえって見守る、
という緊張感のあるアイテム。
ちょっとした感情の機微を見事に表現していて、
久しぶりにすがすがしい舞台をみられた気がした。

舞台には劇場のオーナーにより、亡くなられたオリッシーの
グルケルチャラン氏の写真が飾られていたが、踊りの種類は違うにしても
男性舞踊手同士として見守っているようだった。

つづく

2004/12/20(月) CHENNAI SEASON 2004-2005 その2
朝は眠い目をこすりつつ、カルナティック音楽界で
有名どころの「ボンベイシスターズ」のレクデモに参加。
小さいころから2人でずっと歌ってきただけあって
阿吽の呼吸でレクチャーをしてくれた。
テーマは「類似したラーガの比較」 と訳すと難しいようだが、
様は同じ親ラーガから派生した2つの子ラーガ
の雰囲気がいかに違うかとか、歌い分けるテクニック
を披露してくれるもので、大変参考になった。
連日のコンサートにもかかわらず、熱心に後進を育てようという
意欲に感心した。

午後は2つ歌のコンサートをハシゴし、くたくたに。
O.S.Tyagarajan... 大御所に近い男性歌手で、早く歌う技術より
長ーい間息つぎをしないで音の美しさを表現していた。

Sudha Ragunathan...北インドでも名が知られている(と聞いた)
海外ツアーも盛んにこなす超一流女性歌手。
賞の数はすごい。にもかかわらず、気さくな方で、
コンサートが終わって舞台に挨拶ににいくと気軽に応じてくれる。
技術はもちろんのこと、舞台での堂々とした歌いっぷり
がすばらしい。

こういう一流歌手たちはこの時期、毎日どこかでコンサートをしている。
マノーダルマ(アドリブの部分)が多いこの音楽を連日続けるのは大変なエネルギーが
いると思うのだが、本人たちは余裕しゃくしゃくに見える。

私などこのラーガは何だろうと考えたり、ターラをずっと打っている
だけでエネルギー切れ。
コンサートは最高の勉強なので、踊りにしても
観察ばかりして楽しんで見られる事はあまりない。

2004/12/19(日) CHENNAI SEASON 2004-2005
学校から特別に休みをもらって、チェンナイの
音楽、ダンスフェスティバルを見に来る事ができた。
前に来たときより入場料は高くなっていたが、
朝は相変わらず無料で一流歌手のコンサートを聞ける
のがうれしい。
今回は音楽学校の生徒として、ダンスよりも音楽のコンサート
に興味がある。自分が習った曲を実際にプロが歌うと
格段にグレードが違う(当たり前だが)。

とはいうものの今日は朝からパドマブーシャン(文化褒賞のようなもの)のKalanidi Narayanan さんの熟練したアビナヤで
アシュタナーイカ(8種のヒロイン)を見た。
数年前に拝見したときは座ってたが、その時よりむしろ若々しく、
気丈に1時間半も座らずに演技をしていた。
この方はとにかく厳しい印象で、弟子を何回も叱り付けていた。
ヒロインのそれぞれの特徴を一瞬で演じわけ、演技中は
目の輝きが一度も消えないのはさすがだなあと
ただ感心するばかり。この日は客席もそうそうたるメンバー
が来場し、それぞれ兄さん、姉さんと呼んでいるところは
このチェンナイで小さいころから育ってきたファミリー
という感じで、歌舞伎の世界みたいだなあと思った。
カラクシェートラのチャンドラシェーカル教授もいらしてて
80歳近い踊り手を気遣っていた。
この日は他にテルグ大学教授による、異なるタイプの
クチプディダンスのレクデモ、夜は平均15、6歳のダンスカンパニー
によるダンスドラマを堪能。今日はダンス三昧になってしまった。

続く

2004/12/15(水) 「得る」と「来る」
後期セメスターが始まり、いよいよ実技も難しくなって
きた。毎日何か新しい歌を覚えているという感じだ。
音感が鋭い子は、スワラ(音階)が分からなくても
耳で聞き取ってすばやく覚えてしまう。
むしろ音符でメロディーを追うのは苦手みたいだ。
私などは楽譜があったほうが楽なのだが、先生から生徒へ
ずっと受け継がれてきた曲は、楽譜にすると
味気がないように思う。ヴァルナムなどの練習曲は
楽譜どおりに歌うことが大事だが、キールタナや
クリティなどのコンサート用の曲は、時間は倍かかるだろうが
先生の歌声を思い浮かべながら、試行錯誤してものに
していくのがベストだ。

ところで同級生たちは「(技術が)まだ来ない」とか
「そのうち出来るようになる(来る)」
出来るようになると「来た!」と、「来る」という言葉を
頻繁に使う。つまり、練習していればあちらから
やって来るいう意味なのだが、こちらから「得る」
という感覚ではないのだなあと不思議に思った。

2004/12/10(金) インドの携帯電話事情
日本では、携帯電話を持っていない人はあまりいない
というところまできたが、インドはまだまだ
序の口なので各社こぞって宣伝をし、普及率は
どんどん膨れ上がっているように感じる。
カメラつきや動画の撮れる携帯はまだまだ高嶺の花だし、
画面はカラーでないものも多いが、メールもできれば
着メロもダウンロードできる。
ビジネスでなければ、特に必携というわけではないので
たいていの人はプリペイドカードに相当するカードを
を携帯に装着し、終わったら買い足すようだ。
日本では携帯マナーは常識として存在するし、
たいてい電車の中は静かだから、大声でしゃべられると
当然不愉快なのだが、インドではどこもうるさいので
携帯マナーというものはないかもしれない。
ましてやそれがもとで喧嘩になることはまずないと思う。
バスで大音量の音楽をかけようが、教会でスピーカーを通じて
お祈りの曲を流そうが誰も文句を言わない国民性だ
(中には我慢している人もいるでしょうが…)。
その時と場所によるが、映画の上映中でさえ話している
人を見かけた。

2004/12/07(火) 暴走族のいない国?
やっとマイスクーターを購入し(10何年ものの中古)
学校にスクーターで通っている。それでも片道約1時間
かかるのだが、バスより快適。
目線が低くなって前より景色のすばらしさに気づいた。
まさに田園風景。一面に緑の田んぼが広がり、椰子の木が生えている景色にうっとりしながら、風を切って走るのはなかなか気持ちがよい。
さてインドの交通事情だが、ちゃんとルールも信号もあるし
警官が四六時中、手旗信号で誘導しているところもある。
しかしノーヘルで3,4人乗り当たり前なのはやはり危険。
赤ちゃんをただ抱っこして、後部にお母さんが横乗りしている
のは珍しくない。

今私のいる町タンジャーヴール近郊に限っていうと、
道路での偉い順は1、バス 2、トラック 3、シェアオート
(乗り合いオートリクシャー)4、乗用車 5、大きいバイク
6、オート 7、スクーター 8、自転車、牛車、リヤカーなど

バスはとにかくスピードを落とさない(推定60〜80km)。後ろから肩すれすれに追い抜かれることが一番怖い。対向してくるバスのギリギリのところを走るバイクは命知らず?と思ってしまう。
道路の嫌われ者はシェアオート。これはバス停がないところでも
乗る人がいれば、急ブレーキをかけて止まるミニバスだ。いつもドアを半開きにしてお客を探しているので、後ろを走る車は要注意だ。そしてずっとクラクションを鳴らしているのでうるさい。

牛車は幅が広いので、狭い道路でバスとすれ違うときが大変。

ということでみんな自己責任で自分の好きなスピードで
走っているという感じだ。 

2004/12/05(日) スーパースターたち
映画やテレビのスターではないのだが、
南インドタミルナードゥー州で一番の有名人といえば
チーフミニスター(州知事だと思う)のジャヤラリタさん
だ。彼女は元映画女優だったそうだが、そういう意味ではなく
敏腕知事として、老若男女に絶大な人気がある。
テレビでも毎日のようにお言葉が放送されている。
事件があるとすぐその場に駆けつけ、多数の言語を駆使し
とにかく才気にとんだ女性らしい。
アンマー(お母さん)と親しみをこめて呼ばれている。

そして映画俳優のスーパースターたちだが、女優が入れ替わり立ち代り変わっていくのに対し、男優は少し年をとってもイメージチェンジをしてバリバリ主役をこなしている(私の印象では)。
勿論若い人もどんどんどんどん出て来ているのだが、
スーパースター中のスターになるにはウン十年かかりそうだ。

12月絵日記の続き


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