インド日記
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2004/08/27(金) サーとミス
ここでは目上の人、上司、お客などに対し、通常、
男性ならサー、女性ならマダムという。
サー、なんて敬礼をしていう「アイアイ、サー!」
言葉のイメージしかなかったので、最初はずいぶんへりくだった言い方だなあ、と思っていた。
しかし慣れると大変便利だ。サー、と呼ぶと相手もも気分的に良いらしく、物事がスムーズに運ぶ。

学校では先生ののことをティーチャーとは呼ばずに
やはりサー、と呼ぶ(男性の場合)。生徒は先生に絶対服従
+とてもへりくだって話すので、句読点の代わりになんでも
サー、と付けるので、最初はおかしかった。
たとえば
授業が始まる前、みんな起立して先生のお通りを見守る。
「グッドモーニング、サー。」
先生「今日休みの人は?」
生徒「サー!〜さんが休みです、サー。」
先生「前回の〜を覚えていますか?〜さん」
生徒「わかりません、サー」
先生「何で覚えてないの!」
生徒「地元に帰っていました、サー」
先生「他にわかる人!○○さん?」
生徒「…ですサー」
先生「正解。」
生徒「サー!次のテストはここも範囲ですかサー!」
「サー!サー!」
そしてサリガマパダニ(ドレミに当たる音階)
を歌いだすとき、「サー、リーガーマー♪」
のサーが先生を呼んでいるように錯覚を起こす。私だけ。
授業が終わって…
「サンキュー、サー!」

とこんな具合だ。女性の先生はミス、と呼ぶ。
全員既婚者なのになぜミスと呼ぶのか不思議だ…。
「ミス!ミス!」とみんな呼ぶ。
校長先生はマダム。ちなみに、先生がそばを通るときは
勉強中でも起立してお通りを待つのが習慣。
ふう〜。

2004/08/21(土) ただしい姿勢は?
バラタを主に練習しているときは、私の場合、大腿部、足首、ふくらはぎなどが痛んでくる。腰はあまり痛くならないのだが、
先月から歌や楽器を主に練習するようになり、胡坐で一日の半分を過ごすようになると、腰が痛くなることが多くなってきた。どの授業も胡坐が基本だが、歌うとき以外はたいてい、同級生たちは恐るべき猫背で、ひじを膝につけてあごを突き出した格好でいる。これは確かに楽だが、腰が曲がりそうなので
まっすぐな姿勢を保つようにしているのだが、返ってこれが腰痛の原因のようだ。
整体の先生が、椅子に座るときはお尻を突き出すようにして浅く座れば腰に負担がかからないといっていたが、胡坐でも同じことなのかもしれない。
去年お三味線を習わせて頂いたとき、正座で弾き続けることが拷問のように感じられたが、胡坐も長時間座っているとなかなか大変だ。私の場合は膝にも強い痛みを感じる。
バラタをやっているために、膝のねじれのようなもの
があるせいかもしれない。アラマンディーでは、膝を無理に開いているので、座る姿勢が多くなると膝の筋肉が緩んできて、痛みを感じるようだ。耐え切れなくなって、授業中何度も足を組みかえるが、胡坐でいる限り一向に痛みが退かない。授業が終わるころにはいわゆる体育座りで膝を抱えている。先生の前では胡坐以外で座ることはいけないらしいのだが、大目に見てもらっている。
他の子は、というと、少しは辛いようだけど一度も組み替える様子がない。胡坐のとき膝がぺたんと床についているタイプだ。
日本人でももちろんそういう人はいるので、インド人特有のものではないと思うが、胡坐で生活をしてきた民族には、これが一番自然な座り方なのだろう。
休憩のとき胡坐のまま上半身を折り曲げて寝ている子がいるのには驚いた。
また、ヴィーナを毎日練習するようになって首、肩のコリがひどくなった。私のヴィーナが体には大きすぎるのか(プロが使う大きい立派なヴィーナ)、左腕を楽器のアームに回すことにまだ慣れていないせいかもしれない。
ヴィーナはジャックフルーツの木をくりぬいてつくる。大きなお椀型の音を出す部分を床につけ、膝の上に、アームについた大きい瘤のようなものを支えにして弾く。長時間胡坐で弾きつづけると、足がしびれてきて立てなくなる。これは私だけではないよう。1年くらいたったら少しは慣れてしびれもなくなるといいのだけど。なんにせよ一生懸命やると体に負担がかかるものだから
仕方ないのかもしれない。

2004/08/18(水) 巨匠の歌声
昨晩はいいカッチェーリ(プログラム)を聞くことができた。
今年パドマブーシャン(日本の文化褒章ようなもの)
を授与されたマドゥライ・シェーシャゴーパーランさん
のカルナータカヴォーカルだった。
その歌声は天に届きそうなくらい声量があって、
アカーラ(ラーガ、メロディーをアの音だけで歌うもの、
こぶしとは違うがバイブレーションで表現する点は似ている)。
は何時間でも続けられるくらいバリエーションがあって、
どれだけ舞台を踏んできたか、その人の歴史を見る思い
だった。彼は、ハリカタ(音楽を知らない人たちにも
わかりやすく、いろいろな話を交えて歌う吟遊詩人のようなもの)も本業なので、表情も豊かというユニークな
歌い手だ。
彼を囲むオーケストラ陣(ムリダンガム2人、バイオリン、
タンブーラ)がまたいい雰囲気に盛り上げていた。
その半円がドームのようになり、野外(寺)にもかかわらず
なかなか音響もよく、音が心地よく広がっていた。
余談だが、ムリダンガムの人は高齢のベテランで、
なんとも福福しい顔でえもいわれぬ笑みを浮かべていた。
彼と歌い手と、ごく少数の観客にしかわからないような
複雑なリズムが入ると、顔を見合わせてはニコニコ
としていた。伴奏陣と歌い手が同レベルで、なおかつ
お互い尊敬しあっているというのがとても重要だ。
最後に、ハヌマーンのお寺に敬意を表して、ラーマーヤナのシュローカのハヌマーンの件を歌ったのはしみじみよかった。

2004/08/15(日) 観察日記
インドのような過酷な暑さの中で暮らしていると、皮膚の老化が早い。人の年齢を当てるとだいたい予想より年下だし、30歳半ばでも白髪が出てくるそうだ。授業中胡坐をかいてみんなで歌うのだが、ふと足をみるとヒビが半端でない。はだしで生活しているから仕方ないか。それとはまた話がちがうけど、同級生は若い割りにみんな大人びている。インドの女性は20歳くらいでも25歳くらいにみえる。学校でしっかり教育されてきた子は特にしっかりしている。全体的に年をとるのが早いのも手伝って大人びている。
上級生は貫禄があって、私より全然年下でも、アッカ(お姉さん)と呼びたくなる(先輩をアッカと呼ぶのが習慣)。
インドの顔のパターンというものは顕著だ。ついグループ分けしたくなってしまう。時々同じ人かと思ってしまうくらい。パーツが似ているのだろう。髪はほとんどの人がカーリーヘアだが、
生え際までくるくるしている人は少ない。みんな腰まで髪を伸ばしている。赤ちゃんのときに女の子はみんな剃って、髪を太く
するからうらやましいくらい髪が多い。三つ編みすると、踊りのとき着けるつけ毛位はある。
みんなお洒落さんなので、髪のアクセサリーは安いながらも
いろいろかわいらしいものを着けている。暇なのか三つ編みをいっぱいつくって凝った髪型にして来ることも。
髪につける花は私も毎日買っているが、不経済なのにもかかわらず、みんな欠かさない。私のお気に入りはバラ。
ジャスミンはいいにおいだけど虫が寄ってくるので
あまりつけたくない…。朝はみんなきれいな花だけど、夕方になると当然枯れている。
サリーまたはハーフサリー(ロングスカートに上半身はチョリとサリーの上半分を着るもの、若い子のみ)の好みは千差万別だが、なぜか茶色とかカーキ、エンジ色を着る子が多く、肌の色も手伝ってとってもくらーい印象をうける。肌の色とコントラストのある色はよく映えるのに。眉がキッとつりあがっている上級生がカーキ色のサリーを着ていると女性警官みたい。
スカートの柄は田舎くさく見える柄が多い…(たまにはそうでない人もいるけど)。半日片時も離れず一緒に行動していると
観察癖が身についてしまう。

2004/08/14(土) 同級生たち3
カーマークシ…まじめに授業は受けるけど自主練はほとんどしないグループにいるため、あまり
上手くならない。お祈りの時間とか、誰かがしゃべっているとシッ!と口に手をあててすぐ怒る。
ガーティカー…つかみどころがない不思議な表情をしている。この学校に入った動機が全くないらしく
やる気が見えない。
ビーランマル…ときどき、悪代官のような表情でにやりとしている。人が歌を間違えたりすると
特ににやりとしている。人懐っこくてかわいいところもあるのだが、どうも狡賢いところが目に付く。
ピラバーワディブー…名前が難しくてなかなか覚えられなかった。コメディー系のキャラで
面白いのだが、人のいうことを全然聞かないので話しづらい。
ピラバーワディ…最後にブーがつかないのは何か意味があるのか?と聞いたら、ないといわれた。
日本で言えば、名前に子がつくかつかないかの違いのようだ。少し目が充血していて涙目で、泣いている
ように見える。後から入ってきたのでクラスについていくのが難しい。先生たちは自業自得と、容赦なく怒る
ので、授業中よく泣いている。
マンジュリアン…笑わせ役でいつも和ませてくれる。目が大きい上、顔を近づけて話すので
かなり怖い。
インディラガンディー…名前負けしそうな立派な名前だ。一見普通に見えるが、なかなか強気で一癖ありそうな感じ。
一カ月も遅く入ってきた。3年生にお姉さんがいるので余裕ぶっている。先生は補講などしないので
私が面倒を見ることになってしまった。
アムダ…美人なのだが全体的にごついイメージ。相当遅れて入ってきた上、あまり熱心に勉強
してこなかったらしく、常識的な英語を全く知らない。音楽の知識も全くないらしい。
ラージャップリヤー…やる気がないわけではないのだが、理解できないらしく、いつもわかったといっては
全然音痴に歌っている。従姉妹が2人、2年生にいるのでみんなでつれだってずっとしゃべっている。
エマルダ…後から入ってきたシスター(教会の)。副専攻はバイオリン。とてもやせぎすで目がぎょろ
っとしていて最初はあまり仲良くなれないかも。と思ったが、笑うとそれなりに優しく見える。
20歳そこそこのはずだが、30歳くらいに見える。
イマヤルーピニー…とっても細くて枝のよう。声が濁声なのでヴィーナ専攻。おうちは貧しいらしく、後見人を探している。熱心なのだがすぐに結果がでないと飽きてしまうらしい。目玉をぐるぐる回すのが特技。

2004/08/10(火) 同級生たち2
ジャヤシュリー…27歳だけあってしっかりもの。音楽の実力もあるし先生やみんなから頼られている。
既婚者だというけど寮に3年間もいることが許されるのかな?授業のときよく人が歌ってるときとか
ぶつぶつと「よくできました。」、「だめだなあ」といった感じで身振り手振りで批評する。
バラマンガイとジャーネキー…ボンベイ出身の姉妹。なかなかドスコイな体格をしている。二人とも
カルナータカ音楽は一通り習ったということで非常に心強い。というか他の子達が何も知らなさ過ぎて困る。
サーヴィットリ…いつもじっとどこか見つめている。普通の子なのか変わっているのかよくわからない。
基礎は習ったということでよく通る声なのだが、テストのときとか、緊張すると声がひっくり返ってしまう。
サスィッカラ…私に次ぐ年長者。ヴィーナ専攻。面と向かって人に文句を言える人、先生には猫なで声ですごい
面白い。実はみんなに嫌われているらしい。咳をするとき人に向かってするのもその原因の一つかも。
ランジャニデーヴィー…素直でおっとりしていている。声楽もヴィーナも全然上達しない。
声域が人よりかなり高いので授業のときいつも調子っぱずれな声でみんなに笑われている。個人的には裏表のない子でつきあいやすい。
アーディライ…学年で一番の問題児。といっても音楽に関してはとても熱心。ほかの授業のときは貧乏ゆすり、
居眠り、人に話しかけるなど落ち着きがない。この子だけは何かほかの子と違うというか、群れないので
付き合いやすい。
スバーシニ2…北インド系の顔立ち。声は意外と低くて顔とイメージが違う。ミステリアスに見えるけど
全然普通だった。
スッカンニャ2…この学校にしては珍しくお嬢様という感じが伝わってくる。余計なことは聞かない、
物静かな子。
レーヌカプリヤダルシニ…英語を専門に勉強していたということで、英語の授業のとき速記は
いつも彼女に頼っている。とてもまじめで、緊張すると手が冷たくなるということ。

2004/08/09(月) お弁当拝見
お弁当は専らご飯もの。会社勤めの人などは汁物から一式もって行くと思うけど学生は1品か2品。一番の代表選手はレモンライスとココナッツライス。
他にトマトライス、タマリンドライス、胡麻ライス、プラオ(ピラフ)、野菜のビリヤニ、菜っ葉ライスなど。
ベジタリアンの子が多い。お弁当の交換は習慣らしく、私もたまによくできたときは
あげたりする。お世辞でおいしいといってくれる。ただ、ノンベジタリアンの子とはただの野菜のおかずでもあまり交換しないようだ。
お弁当箱に一度でも魚などが入っていたというだけであまり口にしたくないらしい。
あとは朝ごはんの残りであろうドーサやイドゥリ、チャパティなど。
私は苦手だがカードライスも多い。
いわゆるヨーグルトライスに、香ばしいスパイスやひき割り豆を炒めたものを加えてよく混ぜてあるものだが、長時間持ち運んだあとには生ぬるくなっていてどうも好きになれない(あくまでも個人的な好み)。
どれにしても炭水化物のみであまりスタミナはつかなさそう。

2004/08/01(日) 豊かな自然
動物たち
一番多いのはヤギ。次に牛、ニワトリ(いろんな種類がいる)、犬など。猫は一度も見ないが鳴き声は聞いたような気がする。インドの犬は恵まれていない。野良犬はやせ細っていて
見るのもつらいくらい。他にイノブタ(ドブとか汚いところにいる)、猿、水牛もいる。
野鳥はふと見ると水色の羽に頭は赤かったりする。
学校の前にはカーヴェリー川が流れている。来たときはどの川も乾ききっていて、温暖化もここまできたか
と悲しかったが、ある祭りに合わせて堰き止めていたとのこと。一斉に町の川が復活したときはこれが本来の姿なのねと少しうれしかった。学校はかなり昔のつくりで塔が二つ立っているような
形に見える。窓は枠に柵がしてあるだけなので外がよく見える。
暑いときも涼しいときも外の空気のまま授業をするわけだが、
風が入ってくるとなかなかいい気持ちだ。


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