インド日記
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2006/11/01(水) 80歳のお誕生日
 日本で喜寿や米寿をお祝いするように、インドでは60,70,80歳のお祝いをする。日本で女性の平均寿命が80歳以上とはいえ、暑さが厳しく、栄養も偏りがちなインドではまだまだ珍しい。家族以外のこういうお祝いに立ち会うことは縁なので幸運と言えるかもしれない。昨日今日とお祝いに行ったのでその様子を書いてみる。

 昨日はごく内々のみで女性のハリカタ(神話や道徳を交えながら語ったり歌ったりする噺家、誰にもわかりやすく魅力的に話すために長年の訓練を積む)を鑑賞。この方は75歳という高齢でありながら、1分たりとも休まず2時間話し続けた。すごい集中力だなあと感心する。9歳のころからこの道に入ったそうだ。話しているかと思うとすっと歌に入り、飽きさせない。

 今日は早朝に集合し、ホーマーと言う儀礼に立ち会う。いわゆるバラモンカースト(ブラーミン)の家庭では、家族の大事な行事にはホーマーを行う。家の中でレンガを四角に組み、小さいかまどを作る。そこで火を焚きいろいろな供物をくべるのだが、古い家はホーマーの煙が外に出るように作られているので大丈夫。

 椰子の実、マンゴーの葉がインドの儀式には欠かせず、それを銅の壺に乗せ、布を着せて最後にそれを割ることで供物の代わりとなる。他に黄色く色を付けた米やサフランを入れた水、ビートルナッツの葉、ターメリックなどを使う。

 ブラーミンのお坊さんが一連のお経を唱えホーマーを終えると、次はアビシェーカムに移る。これは神様の像などに牛乳や水をかけて功徳を積むことでもあるが、ここでは80歳の主役を祝福をするために水をかける。

 かなり寒い朝だったのでこのおばあちゃんに何かあったらどうするのだろうと思ったが(まさに年寄りに冷や水)恒例の行事なので欠かせないらしい。金属のお盆に家族が身に着けている金のネックレスやら指輪を置き、その上からサフラン水をかける。たくさん開いているキリ穴から水が流れていくようになっている。
そしておばあちゃんの足からしたたる水をもらって家族が頭に付け、家族の繁栄を祈る。

 全部終わると赤い色をした水(あるカルシウムの粉を水に入れると赤くなる)にお金を入れ、水だけ家の外に捨てた。こうすることで悪いものが残らないとか。

 次は全員でお寺に行き、神様のアビシェーカム。これは石で出来ているお寺ならではの儀式だと思う。神様の像に水、牛乳、白檀のペースト、ご飯などを順にかけては水で流して行く。州レベルの大きいお寺の行事では、巨大な像に梯子をかけその上から何百リットルもの牛乳や蜂蜜をかけるのだから驚いてしまう。そして最後はきれいに拭かれ、新しい布を着せて花で飾った神様を拝謁することになる。

 女性の神様の場合、服を着せるときにちゃんとカーテンを閉めるのだから徹底している。

 そしてやっとお昼ごはん。朝抜きだったので大変美味しくいただいた。こういった儀礼は長男が継いで行くものだけど、次の代にあたる男の子は、ずっとi-podを耳につけてラップを聴いていたのでそう長くは続かないかもしれないなあと思った。
 


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