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2006/07/13(木)
全部ある、という言葉
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おそらく今日の日本の家庭で、家電製品のうち洗濯機とテレビ、冷蔵庫(加えてエアコンも)がないというお家はほとんどないのではないかと思う。それに夏服、冬服、靴などの衣類はもっていない人のほうが少ないだろう。
日本で親しくしていたあるインドの方が「日本の家庭には(モノが)全部あるのね」と言っていたのをふと思い出した。なぜ思い出したかと言うと、今の大家(インドの)にも同じ事を言われたから。私は「全部ある」部屋に住んでいる。
インドの友人曰く、自分は日本に来てはじめての冬だからコートを一枚買いたいのだが高いと感じる、とのことだった。日本の女性は何枚もコートを持っているのに驚いた様子。 それに加えて靴も冬になったら変えなくてはいけないし、さぞ不経済だと思ったことだろう。彼女の出身地は一年中サンダルだし 上着を羽織ることなどめったにないから。
そして今の(インドの)大家のお宅には洗濯機がなく、冷蔵庫も半年前に買ったばかり、テレビは修理してたのが壊れていたときなど私のを借りていっていた。エアコンはもちろんない。
でもこれが平均的なインドの家庭にある電化製品だと思う。電子レンジは普及してきたものの、ごくごく一部。洗濯機は贅沢品で、今でも手で洗う音〈洗濯石にたたきつけて洗う)が毎朝響いている。
こういうことをひっくるめて「全部ある」という言葉が出てくるのだが、確かに日本で洗濯機がなかったら、冷蔵庫がなかったら…など想像もつかないくらい不便に感じるだろう。インドの冷蔵庫のないお宅では作りおきはあまりせず、朝に仕込んで夜までに食べ終わり、残さないようにしている。
それだけの話だが、自分が「全部ある」環境に慣れすぎていることに気づいた。
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