インド日記
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2006/09/07(木) ITと伝統
 今やインターネットやテレビで世界中の情報が入ってくるが、PCもテレビもないなら全く関係ない。自分はインドの音楽を習っているから努めて吸収しようとしているが、時々は西洋のオーケストラやポップス、日本の伝統音楽も聴きたくなる。

 今いるところは非常に自国の伝統を重んじるので、文化に関しては音楽も服も、あまり昔から変わっていない。都会ではどんどん新しいものが古いものと入れ替わっているが、ここでは相変わらず女性はサリーを着ているし、男性もビジネスマンでもない限り伝統的な布を腰に巻いている。それが一番ここの気候にあっているのだから理にかなっているのだけど、締めるところが少ないので(いくらでも体型に合わせられる)みんな太鼓腹に・・・。

 音楽に関して言えば、インドの音楽はソロの演奏者にに伴奏者が2〜3名付くのが通常で、それもオーケストラと言っている。一人ひとりの技巧は非常にレベルが高いし、一流の演奏家は海外にもひっぱりだこ。しかし一般の人々は本当にインド音楽しか
聞いたことのない人が多いので、何十人で編成されてオーケストラの一糸乱れぬ演奏や、ピアノなどの楽器を聴いたことがないだろう。

 だからと言って不幸でもないし、そもそも音楽が育ってきた環境が全く違うので問題はない。ここの音楽はまず地元のお寺ありき、そこに祀られている神様を朝から晩まで讃える曲を歌ってきた。それが今はコンサート形式になって声楽も楽器も超絶技巧を披露するのが普通になっているが、根底はBhakti(信仰心)であるのに変わりはない。

 生活の疲れを癒すのに音楽を聴きに行くのはどの国も同じで、ここでも毎日のように各地でコンサートが行われている。あるビジネスマンによれば、10年ほど前までは伝統音楽もやや下り坂傾向だったのが、コンピューターの導入により、人々の精神が疲労してきたため伝統音楽を聴きに行く人が増えたと言う。
 
 意外なところで伝統がまた息を吹き返すきっかけになっていたらしい。


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