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2008/07/13(日)
やばいなぁー。
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思った以上に原稿が進まなくて色々焦ってきました。 30P書いたのはいいけど、自分が出だしと、ど真ん中と、ラストという 自分が書きやすいとこだけをチョイスしてしまったせいで、 このあとがどうなるか検討がつかなくなってしまった(笑) でも、この3つだけをつなげても意味が通じない…orz でもって、なんだか三橋がまたしても誘い受け臭いようなw
とりあえず、死ぬ気で頑張ります。
そういえば、データを保存しとくために外付HDをつないだんだけど、 中のファイルに懐かしいものを見つけてしまった。 今のPCになるまえのSSだと思う、これ(笑)
ギャラリーにある『プランツ・ドール』パロの続きの一部です。 これもちゃんと終わらせたいなー。 いつか……うん、いつか……。
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1.
鈍色の厚いカーテンが空一面を覆い隠していた。 夏が近いせいか、熱をはらんだ空気は重くたれ込め、 行き交う人々の肌にじっとりとまとわりつく。 同じ暑さでも太陽が出ていればまだましであるのにと、 通りを歩く人々は恨めしげに空を仰ぐのだが、 そんなことをしたところで空を覆い尽くす雲がどうなるわけでもない。
そんな中、天候のせいか人通りもまばらな大通りを颯爽と歩くひとりの男がいた。 年の頃は20を過ぎたぐらいだろうか、 すらりとした長身と均整のとれた体躯が人目を惹く。 少し長めの黒髪を無造作に流していて、 不快感に剣呑な光を浮かべる瞳の色もまた髪と同じく漆黒。 いささかつり上がり気味の眦が近寄りがたさを醸し出しているものの、 その容貌はよほど美醜の基準が人と異なっていない限り、 誰もがハンサムだと言うであろうものであった。
その青年、ハルナは苛立っていた。
(ああ、くそっ!下手な小細工なんかしてねぇで、とっととかかってこいよな!)
ハルナはいわゆる貴族階級のものであったが、 由緒正しき血筋というわけではなく、 貿易商で成り上がりとでもいうのか、金で爵位を買った新興貴族だった。
そんなふうに並みいる競争相手を蹴散らしてのぼりつめていったハルナには敵が多かった。 商売の競争相手しかり、新参者を認めない上流貴族しかり。 どうも最近その一部の連中の動きがおかしいのだ。 表面上では何事もないかのように振る舞ってはいるものの、 どうやら裏で何か動いているらしいのだ。 ハルナには、それが面白くない。
皮膚にまとわりつく湿気が、ハルナの不快感をいっそう煽る。 苛立たしげに舌打ちをしたハルナの目に一軒の古びた店が飛び込んできた。 いつもであったら見向きもしないようなその店に、今日はなぜだか心惹かれた。
(まあ、少しはこの湿気から逃れられるか)
肌を舐めまわすような湿気のせいにして、ハルナは誘われるかのように店へと足を向けた。 その瞬間、一つの運命の歯車が回り始めたとも知らずに……。
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