気ままの記
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2005/11/02(水) 寂しい…
毎日同じ時間帯にウォーキングをすると、大体同じ顔ぶれと出会うことになる。
その中で「今日も会えたね」とホッと心が安らぎ、会えなければ「どうしたんだろう?」と気になるご夫婦がいた。

奥さんは杖をつき足元も覚束なげに歩くが、挨拶にはニコニコと優しい笑顔で返し、所々で杖を支えにして立ち止まっては休憩するパターンも決まっていて、いつも嬉しそうに歩いていた。

ご主人はそんな奥さんの側をゆっくりと同じペースで歩いたり、先に行っては引き返してエスコートしていた。

そのご夫婦といつの頃からか会えない日が続いたが、先日ご主人が一人で歩いているのに出会った。

遠くからでも「あ!あの人だ」とすぐに分かったが、体全から寂しさのオーラーが漂っているような雰囲気に
「奥さんは…?」と声を掛けるのも憚られて、挨拶だけですれ違った。

ウォーキング仲間の1人から「奥さんは大病してから後遺症に悩まされ、どうにか杖に頼って歩けるようになって以来、この深山公園ウォークを何よりも楽しんでいた、ところが3日間寝込んだだけで性急に彼岸へと旅立ってしまった」という話を聞いた。

奥さんの声や笑顔それに仕草などが鮮やかに思い出され、もう二度と会えないのだと思うと、秋色に変わりはじめた風景がぼんやりと滲んでしまった。

☆秋色の深山公園紅葉谷


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