|
2004/11/26(金)
日本人・・
|
|
|
イラクで外務省の外交官が射殺されて、まもなく1年である。 春に例のお騒がせ自作自演の3人組が拉致されたと大騒ぎになり、 ジャーナリストも射殺され、最近ではイラクの人を救いたいとイラクに入国した20代の邦人男性が殺害された。
我々は言うまでも無く、ほぼ単一民族といえる日本列島に住んでいる日本人である。
コスモポリタンの意味を皆知っていても、感覚として習得しているかと問われれば、ほんの一握りであろう。
先日、ある青年に出会った。20代後半である。 早稲田を卒業し、オーストラリアで2年間暮らした経験があると言う。 スポーツを愛する屈託のない好青年であった。
何時間か話すことになり、日本のこと・欧米のこと・イラクのことを話した。 海外経験もあり、優秀な大学を出ただけのこともあり、「ある意味」博識である。
が、気にかかることがひとつ。 「欧米では〜なのに、日本では違う」 「日本に比べ、海外ではこんなにも恵まれている」 などと言うフレーズが耳に残った。
海外経験が豊富ではあるが、社会経験は明らかに不足している印象だ。
もちろん、日本にも諸外国よりも劣っていることも多いだろうし、 そのことが海外経験のある人を苛立たせることもあるだろう。
私程度の人間が、私を遥かに上回る経験・知識を持っている彼に苦言を呈するのは気が引ける。 が、しかし、「国」にはその地域に適した制度があり、経済や政治の形によって当然異なる。 国民性にも左右されるだろう。
彼は世界を見て経験を積み、日本人的な世界観を払拭したと思っていたとしても、 現地の人々から見れば、「旅人」であり、「余所者」である。 日本を捨て、その国に根付かない限り「コミュニュティ」の一員ではない。
物価一つにしても、不況不況といっても世界的に見れば有数の経済立国の日本の「円」の強さが彼の味方をしている。 どんなに安く感じたとしても、現地の方々にとってはそうそう安いものではあるまい。
例によって、例のごとく、私は思わず 「なるほどねー。そうなんだ。で、そんなに不満なら君なんでここにいるの??」と、 その場を凍りつかせてしまったのは、いうまでもない。
|
|
|