|
2004/12/20(月)
まもなく4年・・。
|
|
|
もうすぐ年の瀬。あといくつ寝るとお正月である。 街には灯りがあふれ、恋人達はクリスマスを心待ちにしている。 しかし、その幸福感を味わいたくとも味わえない、味わえなかった人々がいる。
私は97年までの数年間、世田谷区の祖師ヶ谷大蔵と言う町に住んでいた。 休日には近くの大きな公園でキャッチボールをしたり、サッカーをしたりした。 その公園の名前は、祖師谷公園。 これといったものもない芝生の広がった広い公園である。
私が都心に戻り3年後の2000年12月30日。 祖師谷公園の隣接地で事件が起きた。 まもなく4年になる。
「世田谷一家殺害事件」である。
うろおぼえだったが、この家があったであろう場所はなんとなく覚えている。 97年当時、その場所の近くにお蕎麦屋さんや駄菓子屋があり、何度か立ち寄ったことがあった。
6歳・8歳の幼児を含む一家4人が文字通り惨殺されている。
当時のニュースを見て、「ああ、ここ知っている」とショックを受けたのを覚えている。
警察やマスコミの発表では、犯人は一家4人の顔や胸を原型を留めないほどめったざしにした後、 ジュースを飲み、メロンを食べ、アイスクリームを食べ、パソコンでネット接続している。 殺害時に怪我をしたらしく、ラッテクスゴムという軍隊などで使われる特殊な止血剤や、 麻酔作用のあるベンゼドリンを利用して手当てしている。 韓国国内のみで流通しているといわれる靴をはき、遺体発見の数十分前まで被害者宅で過ごしていたらしい。
ヒップバッグからは「アメリカ西部ネバダ州のラスベガス付近にある砂漠の砂」と成分がよく似た砂のほか、モナザイトやニッケル、チタン酸バリウムなどの粒が見つかっており、その中には日本に流通していない成分や一般の人には入手しにくいものも含まれていたといわれる。
ソウル在住の韓国人男性の指紋と、現場に残されていた犯人の指紋が合致したとも言われている。 (韓国では全国民に指紋の登録が義務付けられている。日本の警察は韓国人の指紋と照合して誰とも一致しなかったとしているが、韓国政府が日本の捜査協力を拒否しているという情報もある。)
ヒット&アウェイという言葉をご存知だろうか。 本来はボクシングなどで使われる言葉だが、犯罪用語としての意味は、 外国から入国し、犯罪を犯し、すぐさま出国することを言う。
私が近所に住んでいた97年当時、亡くなった子供たちはまだ幼稚園に通っていた頃だろう。
もしかして、私がキャッチボールをしていた時、同じ公園で遊んでいたかもしれない。 両親はベンチに座り、子供を見守っていたかもしれない。
事件には経緯があり、原因もあるのかもしれない。
が、子供たちに罪はあるまい。
近年、神戸の事件、長崎の事件、福岡の事件など、子供が被害者になる痛ましい事件が多く、胸が痛む。
デパートの玩具屋さんや、ケーキ店の前ではしゃぐ子供たちを見ると、 たった数年の人生しか与えられず、享受出来たはずの喜びさえ受けられなかった「人生」というものを考える。
クリスマスとは、本来家族のもの、子供たちのものだ。
子供の頃もらったプレゼントの記憶は、10年20年経てば薄れていくことだろう。 しかし、自分が愛されているという感情だけは薄れることはあるない。
|
|
|