|
2004/02/24(火)
名文句とわし
|
|
|
私の好きな映画のラストシーンに、こんな台詞がある。
「俺たち、もう終わったのかな・・」
挫折した少年が、ふと漏らす言葉である。 この言葉を毎日漏らす人は問題だが、一度も思ったことの無い人はいないだろう。
基本的に私は挫折をしたり、挫折したことのある人がすきだ。 例外もあるが、大抵の人は一回り大きくなり、たとえ成功できなくとも圧倒的にやさしい目をしているのである。 辛い目にあったり、悲しい目にあった人は、やさしいことが多い。 最近、勝ち組・負け組などという言葉をよく聞くが、そういう意味では負け組の方がすきである。
本来楽しめるホームページを目指しているので、こんなことを書くのは禁句かもしれないが、以前住んでいたところの近くには、ホームレスの方たちが住んでいた。恐らく300人ほどいた。 世間的には負け組である。 しかし、話してみるといい人も多く、驚くほど普通の人であった。 犬の散歩をしながら、仲良くなった人に、「うち、居候(この時期、リストラされた友人が一人居候していた)もいるから、もしよかったら一緒に飯でも食って、なんかやりたいこと見つけませんか」といったことがある。 わたしより10歳ほど年上に見えたその人は、深々とお辞儀をして「ありがとう。とてもありがたいですが、私はまだ一人でやっていけます」と言って、私も出すぎたことを言ったとわびた。
そのとき、昔聞いた話を思い出した。 ある時、修道女が行き倒れてる人を見つけ、死にそうなその人を手当てしたときに、その人はこういったそうである。 「どうもありがとう。しかし、これは私の望んだ人生の結果で、あなたのそのやさしさに包まれて、その中で生涯を閉じることは望まない」
その後、しばらく考え込んだものである。 人の数だけ、幸せはあり・・・φ( ̄_ ̄;) うーん ・・。 この答えは、まだ出るまい・・。
少なくとも、人生最後の一呼吸の瞬間に後悔はしたくないと、願うのみである・・。
最初の映画の台詞には、続きがある。 「俺たち、もう終わったのかな・・」といった少年の言葉を受け、もう一人の挫折の味を知る少年が、こう答える。
「まだ、始まってもいねえよ!」
私も、この言葉をつぶやくこと、しきりである・・。
|
|
|