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2004/03/20(土)
はっとしたわし
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昨日、ひさびさに電車に乗った。 普段徒歩か、タクシーなので、ちと新鮮であった。
駅の階段を上っていて、60歳くらいのおばあさんが重そうなバッグを持っていたので、上まで運んだ。 「じゃ」と言って立ち去ろうとすると、「ありがとうございました」と深々とお辞儀をしていただいた。 私は別に優しい人間ではないので、親しい人間でない限り、若い女性でも、お爺さんでも内心「自分でやりなさい」と思うのだが、母親に近いおばあさんにはちっとだけ優しくするようにしている。
が、そんな風にお礼を言われるは初めてだった。 大抵は会釈や、「どうも」程度である。
客商売を2年ほどやっていた経験があるので、「ありがとう」という言葉のうれしさはよく知っている。 お店で食事をすると、「ありがとう」とお店の人に声をかけるようにもしている。
それど、街中で知らない人にきちんとした「ありがとう」と言われるのは、稀有である。
なんというか、ちょっと感動した。
「ありがとう」「ごめんなさい」「おはよう」「大好き」
きちんと言葉にすべき言葉はたくさんあり、みんな知っている。 けれど、気持ちはわかっているはずとお互いに思い、きちんと口にすることは意外と少ない。
言葉とは、相手に伝えてこそのものであり、伝えなければただの想いだ。
おばあさんを見習い、きちんとしようと少しだけ姿勢を正す春の日のわしであった。
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