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2004/03/05(金)
眠れないわし
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現在、朝の6時である。 今日も寝付けなかった・・。会社勤めしてるわけではないので、自分のペースで仕事をしているから、無理して寝る必要もないのだが・・。 3時を過ぎて、テレビもチャットも電話もしない時間になると、なにかこう色々と考えてしまうものである。
「今日はどう過ごそう」とか人生の夢とかよりも、大抵は過去の人生についてである。懐かしい音楽なんて聴いていたら、なおさらだ。
一人暮らしの部屋に初めて入ったときのこと。 初めての給料袋。 最初のデートのときに着ていた服。 手をつないだ感触。 一人になって、雪道を歩いた足音。
基本的に前向きに全開で走る男ではない。 時折、後をじっと見続けたりする。 かといって、現在が不幸せとも想いもしないが・・。
過去に経済的不安から、幸せのようなものを逃したこともある。 見返すつもりで、寝ずに働き、前からは予想もつかない収入も得たりした。 欲しいものを買い、食べたいものを食べる。ただそれだけであり、それ以上のものではない。
この甲斐のなさは何なのかと思う。
かつての自分が「それがお前の人生か」と問い掛けてくる気もする。
今まで得たもの全てと、残りの寿命を全て差し出すから、かつての自分がその価値に気がつかなかった場所に一瞬でいいから戻してくれと、叫びそうになったりもする・・。
うちの近所に、コインランドリーがある。 夜中にコンビニに行った帰りに、ふと見ると初老の男が、やることもなく、乾燥機を見つめていたりする。 もちろん、家族持ちのおじさんなのかもしれないが、私から見たら、数十年後の自分を見せ付けられているようで、非常に怖い。
何が怖いのかを考える。 一人でいることが怖いのか。愛情を手にしていないことが怖いのか。自分の思いを次の世代に伝えられないのが、怖いのか。 よくわからないが、漠然と、物悲しいものである。
今こうしている間にも、かつてすれ違った人達は、朝食を作り、子供を送り出し、仕事に向かっているだろう・・。 一人きりで、自分の居場所を確認すると言うのは、なかなか難しい・・。
誰かが手を差し伸べてくれないとわかっているから、ひとつでたつしかない。 悲しい思いをするのは辛いから、寂しい気持ちには耐えている。 たまに手を見つめて、無くしたものの大きさを確認したりする。
今まで何回も失敗した。これからもするだろう。 ただ人生が、ぐるぐると回る円でなく、失敗しつつも前に進む螺旋であったらと、ただ願う。
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