わし的コラム日記
日頃、感じることを思うままに書いていこうと思う。
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2004/04/30(金) わし 理解不能
2年ほどの前の出来事である。

深夜の12時ごろに以前勤めていた事務所の部下だった女性から電話がかかってきた。
相談事があるというので、夜中の2時過ぎに近所の喫茶店で待ち合わせた。
20代前半で地方から上京して働いている女性である。

話を聞くと、予想通り男性問題であった。
ある男性が生活道具を彼女の家に持ち込んで、なんとなく無理やり同棲状態になってしまったのだが、働くそぶりも見せず、行動も怪しいと言うのである。

ちなみにその男性も、私の元部下であったが勤務態度がたたって解雇された人物であり、当時のアルバイトの女性とも付き合っていることを私は知っていた。

その女性からも相談を受けていたのだが、彼は彼女にも同棲を持ちかけており、どうやら部屋を借りる資金も無いため、彼女に風俗関係への就職を勧めていた。

要するにその男は、自分で汗水かきたくない「ひも」志望の男なのである。

翌日仕事もあったし、手早く解決したかったので「うむ。なら、今からそいつんとこいって話つけよう」というと、わしが彼に反対のスタンスをとっていることを、彼自体が知っていて、わしが行くと彼女が殴られるかもしれないと言う。

結局その日は別れ、知り合いの警察関係の方に相談して調べてもらったところ、そいつは5−6人の女の所を転々として金をせびって暮らしているらしく、相談してきた女性にその事実を証拠と共に告げ、彼とは今後近づかないように誓約書を取って、別れさせた。

問題は風俗で働けと言われていたもう一人の子である。
何股もかけ、女で飯を食っている男性であることを告げても、彼女の態度は煮えきらず、ともすると相手の女のせいにさえしがちなのである。

「ほんとに一緒に暮らしたいなら、トラックの運転手でも、穴掘りの現場仕事してでも、くわせてやるっていうのが男じゃないの?」と言うと、「そんな仕事したら、彼は死んでしまう」と言う・・。

わしなんて、そんな仕事2年以上してたのだが・・。

だから、自分が風俗で働くしかないかもなどと言い出すのである。

ちなみに彼女の言う風俗とは、見知らぬ男とほんとにHしなければいけない業種であり、その命がけの危険性も伝えた。エイズになってからでは遅いからだ。
わしは風俗と言う仕事を否定はしない。が、とてつもなく辛い仕事というのは理解している。

自分ひとりの力では説得しきれないと思ったので、彼女の事を知る私の上司の力も借りて、何度も説得の時間を持ったが、非常に難しかった。

あるとき、6時間以上話した後に、彼女がふとある質問をした。
「○○さん(わしのこと)は、どうしてそこまでしてくれるんですか」というのである。
わしは「あなたとは友だちでもないただの知り合いだが、落ちて行くとわかっているのを見ているだけのは忍びない。一度は手を差し伸べる」と言うようなことを答えた。

「それは人間としてですか。それとも男性としてですか」

正直「はぁ?」と思った。別にすきでも嫌いでもない女性なのである。
わしが「君のことが好きだから。」とでも言えば、彼と別れるとでも言うつもりかと思ったが、それでなんとなく彼女の心情を理解したのである。

彼女は必要とされたいに違いないと思ったのである。
たとえ、それが心底彼女を必要とせず、うわべだけの優しさを与えてくれる男でも、彼女にとってはかけがえのない存在なのだろうと思った。

一瞬、彼女のことを好きで引き止める男というのを演じようかとも思った。

ただ今後の彼女のことに責任も持つ覚悟ももてなかったので、あくまで知り合いと言うスタンスを取り続け、彼女は彼の全てを知りつつも離れることは無かった。

説得することにも疲れ、顔をあわせることも無くなった。
なんだかんだいいつつ、わしは彼女を見捨ててしまったのである。
その後、知り合いからも音信普通になった。

どうなったかはわからない。
恐らく7割がたは、その男の希望通りにことが運んだろうと思う。
彼女を間にはさんでの綱引きで、わしはその男に負けたのである。

好きになった男性を崇拝して飛びついてしまう女性と言うのがいる。
自分が出会った愛を失いたくないために、男性の欠点に目をつぶり、あとで冷静になると、本当は彼にはその欠点が最初からあったのにと、臍を噛む女性のなんと多いことか・・・。

電車に乗ると、スポーツ新聞の風俗欄が目に入るときがある。
そういうときに思い出す苦い出来事である。

もしも、あの時、嘘も方便で惚れたふりをしていたら、引き止めることが出来たような気もする・・。
しかし、そのとき引き止めることが出来ても、また同じようなことを繰り返すような気もする。

未だに理解できない出来事のひとつなのである。

今ごろ、どこでなにしているか・・

(もしわしが20代の頃だったり、その女性が親族なら、警察のご厄介になるのを覚悟の上で、きっちりと世間と言うものを教えてやるのだが・・。)

わかっていることは、今度のその男を見かけたら、ただでは返さんと言うことだけである。


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