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2004/04/06(火)
大阪とわし
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私は東京の品川区の下町生まれである。
社会人になってから、地方の人たちとの出会いが飛躍的に増えた。
ましてや、現在ではネットも発達し、リアルタイムで地方の人の言葉や声を聞くチャンスも増えた。
北海道や東北、中部、関西、九州。実に様々である。
しかし、実に特徴的な地域がある。 そして、恐らく彼らはその特殊性を意識していないのである。 実に面白く、興味がある。
その地域とは、「大阪」である。 京都でも奈良でも神戸でも無い、「大阪」だけである。 それは、実際に話す言葉だけでなく、文章の文体もしかりである。
例えば、多くの東北の人達は極力「東北弁」を矯正し、標準語を話す。 もちろん、文章も標準語である。 文章に「そうだべ」なんていったりしない。 九州の人は、話すときは「九州弁」的ニュアンスが残るが、ほぼ標準語である。「そうでごわす」ともいわない。
しかし、大阪の人は、話すときも文章においても「大阪弁」を通すことが多い。「そうやんか」「いっとるがな」等である。
以前、理由を考えたことがある。 それは「酸素ボンベ」なのである。 いわゆる大阪文化の外にでる場合において、大阪弁は彼らにとっての「酸素ボンベ」になるのであろうと思う。 自らのアイデンティティに深く関連しているのだろう。
大阪の人が、東京で暮らし、大阪弁から標準語にシフトすると、里帰りのさいに、「東京に負けたな」などといわれるという話をよく聞く。
たかが500キロしか離れていない地方都市であるが、実に「大阪」とは、興味深い土地である。
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