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2005/01/03(月)
目
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霊長類の目は顔の正面を向いている。 下等な猿の目は顔の側面についている。
枝を広げない針葉樹の森で暮らしていた猿は、枝から枝へ飛び移ることが出来ず、 1本の樹の果実を食べ尽くしては、他の動物に捕食される危険を犯し、 地面に降りては他の樹に移動していた。
環境の変化により、枝を大きく広げる広葉樹が出現し、猿は地面に降りなくても枝から枝へ移動することが可能になった。 その過程で「視界の奥行き」を獲得するために、目が顔の側面から、正面に移動した。
その後、人類へと進化し、20種類の人類が発生。 その殆んどが絶滅し、最後の盟友であったネアンデルタール人も絶滅。 残ったのはホモサピエンスのみ・・。
そのホモサピエンスと、他の類人猿や、動物たちの違いが一つ。
それは「白目」。
自然界において、何を見て、何をしようとしているかを捕食者に予測されることは危険だ。 また、黒目が小さくなることによって視界が狭くなることも危険。
だが、我々の祖先はあえて白目を大きくすることを選んだ。
なぜか。
白目があることによって、黒目は強調される。 相手がどこを見ているかがわかるようになる。
なぜか。
他者とのコミュニケーションの為。 自分の視線を伝え、自分の意思を視線に込める。 我々の先祖は、危険を冒して他者との意思疎通を選んだ。 我々はそういう動物なのである。
不況といわれ、悲惨なニュースも多く、街行く人々は伏し目がち。
ふと、そんな事を想った。
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