水野智苗(みずのちなえ)のケータイ写真日記です。
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2004/07/15(木) ご近所の火事
きょうは「日記のその後」の続きを書こうと思ってたんだけど
ご近所で火事騒ぎがあったので、とりあえずそれを書きますね。

※   ※   ※

 朝、いつもように7時台に夫を会社へと送り出してから、ちなは再び横になって休んでいた。体調が優れなかったのだ。少し休むだけのつもりで眠る気はなかったのだが、いつの間にかすっかり寝付いてしまっていた。
 その眠りが、突然、不自然な気配によって中断させられた。
 気温が高すぎるために寝室の窓は網戸の状態で開けてあった。その窓の外が、騒がしい。
 近所にある学校から、何か大声で騒いでいるような声がしていた。
(いくらなんでもまだ部活の時間じゃないはずだけど、体育の授業か何かかしら?)
 不自然に目覚めたちなは、いわゆる金縛りの状態になっていた。意識だけは覚醒したものの、肉体の覚醒が追いつかず、身動きが取れない。
 そのとき。
「火事だ! 火事です!」
 不意に響いた女性のものらしい声が、ちなを一気に覚醒させた。
(火事っ!?)
 ばっと跳ね起きて枕元の時計を見ると、午前9時台。そのまま立ち上がってベランダの外を覗く。
 その光景よりも先に煙の臭いが鼻に流れ込んできた。続いて、ぱちぱちと何かが爆ぜる音。そして。
 ちなの自宅より一段低くなっている住宅密集地の一カ所から、もうもうと白い煙が立ち上っているのが、はっきりと見えた。
(あのお宅は、確か……)
 引っ越してきたばかりの頃、「もしかして火事?」と慌てさせられたことのある家だった。庭でゴミか何かを頻繁に燃やしているらしかったのだ。ベランダに干した洗濯物に煙の臭いが付くので、できればやめてほしいとつねづね思っていた。
 けれど、今日の煙がいつものそれと同じでないのは明らかだ。
 いつもならその家の向こう側、狭い庭かなにかから立ち上っているはずの煙が、今日は家全体を包んでいる。なによりその煙の中に激しく燃え上がる炎が見えていた。
(なにか、わたしにできることがあるかしら)
 すでに消防車が駆けつけつつあるサイレンの音がしている。通報はとうに終わっているようだった。
 そしてベランダから見下ろした限りでは、現場付近の人々も、ただ見守ることしかできないでいるらしい。
(そうよ、それに)
 なにかできることがあったとしても、眼下に広がるその住宅地にどこをどう通れば辿り着けるのか、その道を、ちなは知らなかった。
 直線距離ならば極めて近いものの、その住宅地へ降りる階段などが自宅の近くにはないということだけは、すでに確認済みだ。
 引っ越しから5ヶ月経って、日常生活に必要な範囲に関してはあるていど知識を蓄えてきたものの、ただの住宅地にまで探検に出掛けてはいなかった。
 そもそも犬の散歩などの口実でもあればともかく、知らない人間が歩いていれば不審者としてマークされそうなほどに密集した住宅地なので、積極的に入っていこうという気にはならなかったのだ。
(庭に出ればもう少し様子がわかるかも……)
 慌てて部屋着から外へ出られる服装に着替え、玄関の扉を開けてみて、ちなは一瞬硬直した。
 自宅の門の外、その住宅地を見下ろせるわずかなスペースに、人だかりができていたのだ。
(怖っ……)
 ご近所の井戸端会議になかなか入り込めずにいるちなである。ここで会話に加われば、いいきっかけにはなったのかも知れない。
 だが、あまりの人数とかしましさに、とても仲間に加わる勇気は持てなかった。
 静かに扉を閉めて室内に戻ると、脈拍が不自然なほど早くなっていることに気付いた。
(まずい。このままだと発作が来るかも)
 仕事の邪魔をするのは気がひけたが、発作を防ぐための手段として、夫の声を聞く以外の方法を思いつけなかった。
 会社に電話をして、現状を報告する。
「煙が流れ込んでくる? 窓は閉めた?」
 はっとした。そんなことさえ、気が回らなかったのだ。寝室の窓は網戸のままだ。
 鼓動が落ち着いてから電話を切り、あわててすべての窓を閉めて回った。
 そうしているうちに、揺らぐ炎を見つめることが自分の情緒不安定を誘うことに気付いた。火事を見ている限り、また脈拍は不安定になるに違いない。 
 窓だけでなくカーテンも閉めきり火事の風景が目に入らないようにして、そのままお茶を飲んでいると、なんとかいつもの自分を取り戻せたような気がした。
 放水の音はさほど聞こえなかったが、焼け落ちる屋根から転がる瓦のからんからんという乾いた高い音だけは、しばらくのあいだカーテン越しにも響き続けていた。


※   ※   ※

いつもの調子だとだらだら書いちゃいそうな気がしたから小説形式にしてみたけど
小説形式にしてもやっぱりだらだら書いちゃいましたね(^^;
ま、いいか。とにかくそんなわけで、今日は朝からドキドキさせられました。
火事のお宅はほぼ全焼だと思いますが、延焼はなかった模様。
特にニュースになっていないところを見ると、人的被害はなかったのでしょう。
焼け出された方にはお気の毒ですが、そのことだけは良かったと思います。
泥棒は持てるぶんだけしか持って行かないけれど火事はすべてを持って行く、
というのはよく言われることだけど、本当にそうですよね。
改めて、火の元には注意しなくちゃと、強く強く思いました。


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……旅行中はともかく、毎日日記を更新していての12はちょっと凹みますね(^^;


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