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2005/10/05(水)
今日は何の日?
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10/5日 大安 ★レモンの日 彫刻家であり詩人の高村光太郎の代表的詩集「智恵子抄」には、最愛の妻である智恵子との純粋な愛が綴られている。その中のひとつ“レモン哀歌”で、精神を病んだ智恵子が、死の床でレモンを欲し、口にしたレモンの香気で一時の正常を取り戻す。その詩にちなんで、智恵子の亡くなったこの日を「レモンの日」とした。
そんなにもあなたはレモンを待ってゐた かなしく白くあかるい死の床で わたしの手からとった一つのレモンを あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ トパアズいろの香気が立つ その数滴の天のものなるレモンの汁は ぱつとあなたの意識を正常にした あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ わたしの手を握るあなたの力の健康さよ あなたの咽喉に嵐はあるが かういふ命の瀬戸ぎはに 智恵子はもとの智恵子となり 生涯の愛を一瞬にかたむけた それからひと時 昔山巓でしたやうな深呼吸を一つして あなたの機関はそれなり止まった 写真の前に挿した桜の花かげに すずしく光るレモンを今日も置かう
(レモン哀歌)
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