ひねくれ者の小唄
できればネットの片隅に存在し続けられますように
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2004/06/27(日) 阪急より…
『…ただいま』


ドアの鍵を開け、無機質な部屋へ戻った俺はそう呟いた…。むろん返事は無い。




今日は四条の街を歩いてみた。四条通から新京極通りへ曲がると、おびただしい数の人が波のように往来している。

今日は日曜日だった…。

こんなに人がいるのに同じ顔が一つとしてないことに、あらためて気付く…。

腰を90度に折り曲げて歩く皺の寄ったバァさん…男の視線を集めるためだけに作られたような服を着て歩く女性…ブランドに身を包み込んだ女性の傍らにユニクロの服を着て連れ添う男…みたまんまのB系カップル…ゴスロリと呼ばれるビジュアル系の服を着た集団…

それぞれは、それぞれが違う顔をして、それぞれの目的のために歩いている…。

『今日何食べる?』

『あの店行ってみぃひん?』

『明日がっこやなぁ…めんどいわ〜』

『今日は良い買い物した♪』



それぞれがそれぞれ違う話をしてそれぞれの目的のために歩いている…。


今日は何故か視線を投げかけると相手の視線にかち当たる事が多い。何故だろう…?いつもはそんなに目が合うことなんてないのに…。

ガラスのショーウィンドゥに写る自分の姿を見てみた…。

全身スーツだ…。


ホストに間違えらる事は100%中の100%で無いと思うが、なんとなくそんな感じの職と間違われてもおかしくはない格好だ。この30℃近くの気温の中、黒いスーツに身を包んで歩く人は、俺以外見当たらなかった…。このスタイルで『ウチの店で働いてみない?』『ちょっと雑誌のモデルやってみない?』などと声を掛けてみたら、乗ってくるかどうかは別として、案外相手はホンキにするかもしれない。


そんなことを思いながら来た道を引き返した。電気街を通ってみる…。林立するゲームやパソコンの店には、それに命をかけているように見える人から、小学生の子供数人、カップルもいた。ああいった場所にいるのはああいった場所を好む人しかいないという固定観念は捨てた方がよさそうだ。今は誰でもゲームを好み、パソコンで遊び、現実と創造の世界に生きる…。

あの通りはよく信号待ちの車が並んでいる。車種も多様ながら乗っている人も多様だ。真っ黒なボディのジャガーに乗るちょっと怖そうなオジサマ。ベンツに乗る厚化粧のセレブ(なぜ厚化粧のおばちゃんはベンツに乗るのを好むのか?)。BMWに乗る若いカップル。大概、こんな車の助手席に座る女は態度が悪い。ダッシュボードに足を乗せ、たいそうくつろいでいた。嫌悪感は抱くが、どうしようもなく、そういう男を捕まえられる事ができるのは才能だし、これからもその才能を奈何なく発揮して人生悠々と渡っていくのだろう。そのことを思うとまた嫌悪感が募る…早く通り過ぎた方が良さそうだ。


御幸町通りに抜け、右に曲がると、それまでの人の多さから解放された空間が広がる。閑静、とは言えないが、ちょっとした住宅街…。柳馬場に突き当たって左に曲がるとマンションはすぐそこだ。

マンションに入ろうとしたら、同じマンションの住人らしき人が歩いてきた。エレベーターに相乗りするのが嫌だったから、疲れている体に鞭打って階段を上った。


ドアの鍵を開け、無機質な部屋に帰った俺は呟いた…


『…ただいま』


むろん返事は無い。


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