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2004/05/10(月)
小説に夢中。
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最近、こないだ借りてきた小説を読みふけってます。有名な人ばかりを借りてきたのもあるんですが、非常に勉強になります。飽きないように各々短編ものを借りてきてサイクルで読んでます。宮沢賢治一話読んだら、江戸川乱歩一話読むって感じで。同じ文字でも扱う人によって本当にキャラクターがでるなあ、と思うんですね。色といってもいいです。宮沢賢治はほのぼのとして人なつっこくて優しい文体だけど、この人の造語というか擬音語のピュアな感性には驚かされます。口語調の話し言葉もすごく生き生きとしていていいなって思います。乱歩にはおどろおどろしさとエロスとただならぬ人を引きつけるストーリーテーリングの上手さがあると感じました。そして村上龍です。やっぱりすげえ。今読んでるのは「昭和歌謡大全集」という小説なんですが、この人の考え方というのはもう一貫されてて、語弊を恐れず云えば、それは自分の信じたことにエネルギーを持って生きている人が好きで、意志を持たないで生きる人を軽蔑するようなまなざしで見るということだと思います。それゆえ、過激だとか強要されていると思う人も多いんじゃないでしょうか。言い切ったり、物事をまとめて何々だ、みたいな言い方をするから。ただ僕からするとそこまではっきり言える村上龍がすごいな、と思うわけです。僕の中には絶対持ちえない知識とか行動力とか熱とかこの人は持ってると思う。信じて疑わないものがあるからこそこんな迫力とリアリズムのある小説を書けるんだろう。村上龍の中では割とパターンがあって、「五分後の世界」や「希望の国のエクソダス」といった膨大な資料と取材を重ねて書かれたものから、割と軽いタッチで描かれた読みやすい「インザミソスープ」、「ピアッシング」「ラッフルズホテル」というのもあり、経験と直感で書いたような「限りなく透明に近いブルー」「69」というものまであります。今読んでるのは割と経験と直感で書かれたもののような気がする。でもそれゆえの村上龍の作家としての瞬発力というのが窺い知れます。「トパーズ」で使われたやたら接続詞が長く使われて、句読点がなかなか来ないしゃべり口調の技法なんてまるで読者をあざ笑っているようで気持ちいいです。そしてもう比喩がすごい。ボキャブラリーがよくこんだけ思いつくなと思うんですよ。それも人を小ばかにしたようなものが、でも笑えるんです。そんなわけで小説に夢中。バイトの話は今日は無しで。
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