秋山亜軌の日記です。著作は秋山亜軌にあります。文書・画像の無断転載禁止です。
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最新の絵日記ダイジェスト
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2005/02/15(火) ミュシャ展に行って来ました!
昨日の話になるんですが、友達と数人で上野で開催中のミュシャ展に行って来ました。普段一緒に絵を見る機会の無いメンバーで見に行ったんですけど、なかなか新鮮でした。ミュシャは一番好きではないけど常に気に止めている人です。色んな人と比較して見ると面白いと思います。アートを高尚なものから庶民の元まで引きおろし、また新しい価値観を提示した、という意味で私的には意外かもしれないけどアンディーウォーホルと性質が似てると思います。庶民的で商業に徹底したということで言うとロックウェルとも似てる。装飾的で甘美、対象として女性にのみ興味を向けるっていうのはクリムトに、華やかさではボッチチェルリに似てる。でも唯一無二の存在である、というのも欠かせません。今回、来ていた作品はとっても充実していて、僕リトグラフだけかと思ってたんですが、油彩からパステル、ドローイング、彫刻に至るまでバリエーション豊富でした。見たことあるものはほぼ全部揃ってたと思います。習作は興味深かったです。製作過程が読み取れるっていう意味ですごく勉強になった。ミュシャ自体がシリーズもので作品を出してるので配置も自然な流れでよかった。ただ日曜だったので人すごかったです。閉館ギリギリまで見てました。どうしても上野は作品数多すぎなんで見るのもかなり体力使います。もっと絞れた気もした。油彩もパステルも及第点までは必ず持ってくる人なのでよかったんですが、ミュシャの場合、やっぱりアールヌーヴォーのポスターが一番個人としてのカラーが出ていてよかったと感じました。デザイナーの友達は、今のポスターと違って説明臭くないことや制約の少なさをうらやましがってました。鉄道のポスターはポスターとしてはどうだろう?と思ったんですけど(けっこう強引なアイデアの出し方をしてます。)。それとレスラーの絵という珍品があり、そんな人間らしさも垣間見えてよかった。総評すると、この人は辛抱の人。天才などではけっしてなかっただろうと、思います。ものすごい努力家で秀才です。用意周到な習作、丁寧なデッサンが何枚も残っているし、そして意地でも完成まで持ち込む集中力と計画力、粘り強さがあります。あれだけ長いシリーズ物を完全に仕上げるのは相当な精神力がでなければできないことです。期待には絶対応えるというプライドがひしひしと伝わる絵でした。線が生き物のように自由自在で、なんでもアールヌヴォーで料理してしまう貪欲さ、色は発色を極限落とした優しい色で柔らかく温かい、そしてポーズへの執拗な執着、観察力、どれをとっても素晴らしかったです。あれだけのイメージがよくおもいつくなと思いました。そのあとでアメ横でおいしい、ほんとにおいしい魚介類を買い付け、友達の家でぱあっと飲み会に流れました。いい一日でした。


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