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2004/04/07(水)
霊感
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ネットで泉鏡花という人の「眉隠しの霊」という小説を読んでいました。 鏡花は明治の人なので、今は使われていない漢字にあふれていますが ありがたいことにルビ付きで読めるページまであります。 (文庫本を買わなくても、ネットでかなりの小説を読むことができることを教えてくださったHさん、これを読んでくださっているか、わかりませんがどうもありがとうございます。) 鏡花は幽霊が存在することを信じていたとのことで、そういう小説をたくさん書いているのですが、 霊感がある友人、私は結構たくさんいます。私自身は全然ダメですけど。 霊感といっても様々で、予知能力のある人、とか幽霊の見える人、遠くの親戚や友達に何かあるとわかる人とか、その人なりに違いますね。 私は自分がそういう能力ないもので、彼等の話を大抵は半信半疑で聴くのですが 皆さん、嘘を言うような人達ではないし、何の得にもならないのに、わざわざ私や他の人をだますような意味のないことはやらないと思うんですが、 何年も昔、二個建ての借家の一軒に住まっていた時分、我が家とペアのもう一軒にいた中年女性のAさんはそういうタイプの人、つまり霊感のある人でした。 その頃TVで、霊媒師をスタジオに呼んで霊魂を呼び寄せるという内容の放送がありました。毎年、夏になると放送される種類のちょっと嘘っぽい番組ですが、私は彼女と一緒にその番組を見ていました。 画面の中央には祭壇のようなものが組まれ、その前でお坊さんが着る袈裟のような派手なコスチュームをまとった女性の霊媒師が片手に何か道具(独鈷といものですか?)を持ち、眼を閉じて精神集中して何かつぶやいています。 それらしい演出をするためか、スタジオが暗くなって霊媒師にだけ照明が当たっていて、わざとらしさが匂う上、霊媒師が時々大げさな身振りとともに道具を振り上げ「くぁぁ!」と奇声を上げたりするので ほとんど笑いながら私は観ていたんですが Aさんは意外に真面目な面持ちです。彼女はやらせなのか真実なのかわかるそうなのです。 霊媒師の周囲には何かを焚いている煙が漂っているのですが、カメラが切り替わって暗いバックに煙が漂っているだけの画面になりました。番組司会者が、「ただいま 霊を呼び寄せて云々云々皆さんおわかりになるでしょうか」とかいったことばを、静かに流していますが、「おわかりになるでしょうか、」と言われても、私には煙にしか見えないんですよ。ただもやもやしているだけなんです。が、同じ画面をAさんは「ネコがいる」というんですね。 必至に眼をこらしましたが、不定形の煙は、妖怪のように見えなくもないですが、終始動くので(当たり前ですが)何かのはっきりした像には私にはどうしても見えないんです。 霊媒師と煙の映像ばかりが何分か続いて、やや退屈になってきたところで、照明が点されて、霊の呼び出しが終わったらしく、司会者とゲストが何かコメント言い合って時間をつないでいました。そこへ先ほどの霊媒師がやってきました。 司会者の言葉は忘れましたが、何を呼び寄せていたのか聞かれた霊媒師が 「人間を呼んだが、出てこないで代わりに畜霊がいくつか現われた」というようなことを答えていまして、あらまあ、畜霊ということは、ネコで正解だったんですね。やはりそういう能力ってのはあるのかなあと思いました。
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