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2006/05/27(土)
音を無くした喉に優しさがしみ込んで 乾き切った瞳に暖かさが届いた
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「言いたいこと、全部言えよ」
「………いや。」
「頼りない?」
「違う。」
「じゃぁ、なんで。」
「…優しい人は可哀相なんだよ? 私のワガママ聞くのは可哀相。幸せを私の愚痴で壊すのは可哀相。」
「じゃぁ、もし俺が“お前の愚痴聞くのが幸せ”っつたらどうすんだよ。」
「……ッ」
「俺はお前の愚痴聞くのが幸せ。それだけ、心開いてくれてるんだろ?」
「自意識過剰。」
「へーへー」
「誤解すんなよ?」
「ワカリマシタ」
「…ホントは、毎日会いたい。電話したい。」
「…うん」
「勉強の仕方わかんなくて、不安で恐くてつらい」
「…うん」
「お母さんにイラッとして、八つ当りしちゃう自分が嫌い」
「…それから?」
「夏稀に会いたい。どうやったら夏稀が幸せになれるか知りたい」
「それはおまえのほうが詳しい」
「姫返せ」
「言う相手違うけど」
「中間テストなくして」
「無理。」
「バカップルごっこどうなったのよ」
「え?俺優しくなったでしょ?」
「………名前呼んで」
「…綺羅。」
「もう一回」
「綺羅」
「もう三回」
「綺羅綺羅綺羅。…ってなんで笑」
「まだ足りない。もっと。」
「綺羅。」
「………………好きデス」
「なんで片言」
「国境を越えるくらいの愛の深さを表現したの」
「わかりにくっ」
「………大好き」
「俺も好きだよ、綺羅。」
「………ばーか」
「なんでΣ」
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