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2004/01/07(水)
ふと思ったこと
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私が(父と同じ)今の会社に移ってきたのは5年ほど前のことだった。
それ以前にも父から「俺のところへ来て手伝って欲しい。そして俺の後を継いで欲しい。」 とずっと言われていたのだが、当時在籍していた会社でやりがいを感じていたこともあって、 その話を長い間、聞き流していた。
それから様々な経緯があって、今の会社に移ってきたわけだが、いくら父がいるとはいえ、 中途採用組の私がぽんとその代わりを務めることが出来るわけが無く、 現場で数年間修行を積んだあとで、昨年から父のもとについて働きはじめていた。
今までとは全く畑違いの職場だったこともあり、それまで培ってきた知識が役に立たなくなることは ある程度覚悟していたので、その辺の苦労はそれほど感じなかった。
それよりも父が、会社のことで考えていたことや悩んでいたことがだんだんと分かってきた。
「これから色々おまえと(会社を)変えていかなくっちゃな。」入社後、父は常々私にそう言っていた。 まだ学ばなくてはいけないことが山ほどあった。だがそんな父は、昨年暮れに突然旅立ってしまった。
今思えば父は、そのころの体調からもう(自分の命が)長くはないことが分かっていたのかもしれない。 だけど会社の中でも、家の中でもそんな姿は全く見せなかった。 私が気付かなかっただけかも知れないが・・・。
今日から通常業務が始まった。 ここには父が思い半ばでやり残したことがまだ沢山ある。 頑張らなくてはと自分を振るい立たせる。
一区切りついた後でふと、前を見た。 これが今まで父が見てきた机からの景色。 そして亡き父がいた机に今、私がいる・・・。
それまでのことが頭をよぎる・・・ いろいろな出来事がよみがえってくる・・・
あの日のことは簡単には忘れられない。 だってここは父と共に過ごしてきた場所そのものなのだから・・・
・・・そう考えながら夢中で仕事をした一日だった。
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