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2004/02/16(月)
介護と腰痛
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私が通勤で毎日通っている道沿いに老人医療病院があるのだが、この場所を通るたび、 ここでも色々な介護をしたりしてもらったりしている人々がいるんだろうな、ということが頭に思い浮かぶ。
その中でも特に体位変換は患者さん本人はもちろんのこと、介護する側も大変だと思う。
父が入院していたS病院では数時間ごとに臀部(おしり)の状態の確認などのために体の向きを変えていた。 通常は2人でするのだが、ナースコールで呼ばれたりして人が足りないと必然的に一人ですることになる。 二人だとそれほどのことではないのだが、さすがに一人では大変そうであった。
その中で、一人だけいとも簡単に体位変換をしている(ように見えた)ナースさんがいた。 私の母(←元ナース)もその手順を見て、「なるほど!こうすれば楽で簡単に出来るんだ。」 と感心するくらいの腕前?であった。やはり経験がなせる技なのか・・・(笑)
もう一つ大変だなぁ、と思ったのが週に一度の介護入浴であった。
入浴する、ということは当然患者さんをその場所まで運ばなくてはならない。 それにはまず、パイプ製の専用ベッドのようなもの(←名称は分かりませんが)に移しかえるのだが、 この作業は体位変換と違い、患者さんを完全に持ち上げなくてはならない。 だから当然、腰に負担がかかる。
ナースさん2〜3人とヘルパーさんが1人の『チーム』となり、 「いっせぇーのぉー、せっ!!」という掛け声(&気合)と共に、隣に据え付けた専用ベッドへと移してゆく。
その様子を初めて見たとき、うわっ!これは大変だぁ、と思ったので 「翌週は私もお手伝いしますので遠慮なく言ってくださいね!」と言ったら、 「いえ、大丈夫です。これも仕事のうちですからね。」と笑顔で答えてくれた。 うーむ、さすがプロである。
そして一週間後・・・
通常は午前中、仕事をした後で付き添いに行くのだが、この日は(事前に会社に事情を説明して) 介護入浴が終わってから会社に出勤する許可をもらっていたので、朝から病院に詰めていた。 ということで私のほうは準備万端である(^^)
入浴は9時半頃から始まるのだが、すぐにはまわってこない。
確か・・・次かその次くらいの順番になると看護師さんが来て、着替えと 新しいシーツ一式を持ってきてくれた(と思う)。
それから30分ほど経ってから例の『チーム』が来た。が、前回に比べ人数が1人少ない。 どうやら他の仕事に追われていてメンバーが足りないようだった。
父の頭部は私1人で持ち上げ、その他のところは看護師さん&ヘルパーさんに支えてもらいながら移動する。
「いっせぇーのぉー、せっ!!」
掛け声と同時に父の体が瞬間移動した(ような感じだった)。
腹水と下肢の浮腫みで健康時よりずっと重くなってしまった父の体を持ち上げるのは ひと苦労だと思ったが、さすがにみなさん手慣れた様子だった。
とはいえ、これが体のがっちりした男性が行うのならばさほどのことではないのかも知れないが、 女性看護師さんやヘルパーさんがするのは、はっきり言って大変だし凄いことだ、と思った。
同時に、これでは腰を痛めてしまう人がいるのも当然だよなぁ、とも思った。 実際、元看護師の妹も体位変換などで腰を痛めてしまい、現在も腰痛に悩まされている。 「子育てが落ち着いたらまた働きたいけど、介護関係(この病院でいう内科のフロア) はちょっと無理だなぁ。」とも言ってたし・・・。
入浴後、看護師さんに(そぉーっと)話を訊いてみたところ、 「以前はもう一人、ヘルパーさんが付いてくれてたんですけどね。」と言っていた(小声で・・・笑)。
どうやら経費削減の影響らしい。
しかし腰痛で勤務に穴をあけてしまうことを思えばこの部分の人員は削らない方がいいと思うのだが、 残念ながら経営者側と現場の考え方は違うようだ。
・・・あ、これ私の会社とおんなじだ(←現場担当なのでよく分かります・・・苦笑)。
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