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2004/02/03(火)
信用
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少し前の新聞にこんな話が載っていた。
昔、ある生徒が学校のテストで、答案用紙を白紙で出したそうだ。
テストのあとで、すぐに担任の先生に呼ばれ 「何かあったのか?」と心配そうに尋ねたが、その生徒は黙り通したそうであった。
何故かというとその生徒は勉強が間に合わず、テストにほとんど解答できなかったので、 どうせダメなら白紙で出してしまおう、というずるい考えだったそうである。
だが、その学期の成績表を見ると、それまでと変わらない成績が記されていたそうだ。 先生はその生徒のことを『信用』して、それまでと変わらぬ評価をしてくれたのだった。 テストの結果だけでなく、その生徒の日常の姿を評価してくれたのだろう。
それを見た生徒は初めて素直な気持ちになり、自分を恥じたそうである。
そして『信用』ということの大切さを、その先生から学んだそうである。
この話は学校は勉強だけではなく、道徳や人とのふれあいなども学ぶ大切な場所なんだ、 ということを私に教えてくれた。
振り返って現在はどうだろう。
もし、当時のように白紙答案などを提出したら「何でちゃんと答えないんだ!」 と理由も訊かず、頭ごなしに一方的に生徒が悪い、と決め付けてしまうのではないだろうか。
また、先生の立場になったとしても、白紙答案の科目がそれまでと同じ評価、という訳にはいかないだろう。 それではテストをする意味がない、と言われるのは非を見るよりも明らかだからだ。
結果、生徒は周りを信用しなくなり、先生もまた生徒のことを信用しなくなってしまうだろう。
どちらかが悪いという訳ではないけれど、誰かのせいにでもしないと自分自身を守ることができないのだろう。
最近、自分のことしか考えない人が多くなっているような気がする。
もう少しだけ周りのことに目を向ければいいのに、というような人が増えてきた気がする。
そんな人たちにこそ、新聞に載っていた生徒と先生の話を訊いてほしい、と思った。
そして『信用』ということの大切さを学びとってほしい、と思った。
そうすればもっと過ごしやすい世の中になるはずだから・・・
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