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2004/02/07(土)
夢に向かって
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昨日、テレビを見ていたら、ある教師の特集をしていた。
その人は生まれつき、脳性マヒの障害を持っていて、現在も言葉や体に障害が残っている。 酸欠状態で生まれてきたときの障害だそうだ。
月日は流れ、彼はある夢を持ち始めた。 それは『教師』になる、ということであった。
彼はまず、家庭教師をするためのセンターに問い合わせたが、断られてしまった。 そこで友人たちが手作りのビラを作り、街頭で配りはじめた。
もちろん、自身が脳性マヒであることはそのビラにも書かれていた。
「そんなにまでして、家庭教師をしたい人がいるんだ」 ・・・ビラを見て心を打たれ、連絡をしてくる人が現れた。
彼はまず、教師の第一歩目を踏み出すことに成功した。
そして彼はいよいよ夢を実現する為に、『教員試験』を受けた。 ・・・が、さすがに家庭教師のようには行かず、2回の試験に不合格になってしまった。
だが、彼はあきらめなかった。
そして3度目の試験・・・
彼は見事に教員試験に合格した!
彼は今、秋田県のある中学校で教鞭を振るっている。
ある日の授業で彼は言った。
「誰か手伝ってくれる人(いませんか)?」
彼はそう言って生徒と共に授業を進めてゆく。生徒とコミュニケーションをとる。 そして、その姿を生徒である子供たちはごく『普通』に捉えている。
これがこの学校での日常の姿である。
彼の本当の夢は『クラス担任』になることである。 もちろん、周りでは反対の声も多いそうだ。 そのことは彼自身が誰よりもいちばんよく分かっている。
テレビ司会者がそれについてのアンケート結果を解説していた。
それによると、『障害者が教師になること』と、『我が子に教えること(=家庭教師)』については 賛成意見と反対意見がほぼ半々であった。
だが、『障害者が我が子の担任の教師になること』の賛成意見は31.3%であった。
数字が示す現実は、確かに厳しい・・・
それでは、どうすればよいのか?
・・・彼の答えは明快であった。
「精一杯やっていくしかない。」
脳性マヒの残る自分の『ありのままの姿』で精一杯、授業を進めていくこと・・・
これが彼の出した答えであった。
夢を実現するために、今日も彼は突き進んでいる。
担任教師になる、という夢に向かって・・・
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