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2004/04/06(火)
当たり前だと思っていたこと
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今日(4月6日)は父が亡くなってからちょうど5ヶ月目の日になる。 この(6日という)日になるとどうしても父の最期の時のことを思い出してしまう。
もし、好きなときに好きなものが食べられなくなってしまったら・・・ もし、他の人の手助けがなければ何もできなくなってしまったら・・・ もし、今まで当たり前のようにしてきたことが出来なくなったら・・・ この世の中にはそれまで自分が当たり前だと思っていたことが出来なくなってしまった人がたくさんいる。 今まではそんなことは想像もできなかった。
入院してすぐに、薬の副作用で吐いてしまい、食事が出来なくなった。 食べられないから体力が落ちて、一人では歩くことも出来なくなった。 歩けないから、何をするにもまわりの手助けが必要になってしまった。 あれだけ力強かった体も腕も、みるみる痩せ細ってしまった。 あれが父なのか、と思うほどに・・・
それでも本人は最期の最期まで、必死に頑張っていた。 本当に凄い精神力だと思った。
最期の数日前にはおそらく、本人はもうダメだと気付いていたはずだ。 だが、私たちの前では決してそんなことは口にしなかった。
その一言を口にした瞬間、それまで張り詰めていた気持ちの糸が切れてしまうから。 それまでの頑張りが無駄になってしまうから。
私たち家族の前では最後まで力強い父だった。 そして頼もしい父だった。
時には強情なことも確かにあった。 それが嫌になったこともあった。
だが、今は分かる。 弱みを見せない、ということが父の生き方そのものだったことが。 だからこそ会社でも、家の中でも孤高を貫き続けてきた父の気持ちが。
失ってから初めてわかる、そんな気持ち・・・
今まで当たり前のようにしてきたことや、当たり前だと思っていたことが、 実はそうではなかった、ということ。 私の心の中に刻み込まれた、父からの無言のメッセージ・・・
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