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2004/04/09(金)
恐れていた事態
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昨日、イラクの武装組織による邦人拘束のニュースが報道された。 その前日の自衛隊宿営地近くに向けて発射された砲弾の件もそうだが、どう考えても 『最悪の事態』を考えざるを得ない。
確か、2月10日の日記にこの件について書いたことがあったのだが、 まさにそのとき憂慮した事態が今、起こりかけている。
相手は手段を選ばない、理不尽な要求をするテロリストたちなのだ。 いくら卑劣だ、などと非難をしたところで相手の耳には届かない。 そこにはモラルやルールのかけらもない。
もちろん、テロリストたちの要求に簡単に応じることが最良の方法などとは思わない。
だが、現実に拉致され、人質になっている邦人がいるのは紛れも無い事実なのだ。 もし犠牲者が出たら、日本政府はどうするのだろうか? そしてどういう対応、いや責任を取るのだろうか?
福田官房長官が昨日の会見で、 「自衛隊を派遣しなかったらテロが起きないのですか?テロはどこにおいても起きる。」と言っていた。 それならば彼自身がイラクへ、それも一番危険だと言われている場所に行ってみればいい。
例えそれがパフォーマンスだと言われても、少なくとも(イラクへ行ったという)その勇気と事実は残るのだ。
いくら日本国内で「最大限の努力をする。」とか「救出に全力を尽くす。」などと言っても救出の 具体策を示しているわけではない。だから何の説得力もない。 口先だけなら何とでも言えるのだ。
「テロリストの要求には絶対に屈してはならない。毅然とした対応をするべきだ。」 という考え方をする人々はその前に、自衛隊派遣までの経緯を今いちど考えてもらいたい。
自国の危機でもないのに外圧に押され、一部のお偉方の人によって派遣が決められ、 そして現地に赴いた、ということを。
何よりも、現地の自衛隊員の心中を思うと何ともやりきれない気分になる。 立場上、「本当は日本に帰りたいんです」と言いたくてもそんなことは決して口には出来ない。 だから表向きは「撤退は決してしない」と言うことだろう。
だが、もし犠牲者が出てしまったらとしたら・・・
一度失われた命は二度と戻ってこないのだ。 命の価値、そして重みを今一度考えてもらいたい。
一人の命の灯火が消える瞬間を、昨年末に見届けたその経験から、 切にそう願う・・・
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