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2004/05/14(金)
虫歯のおかげ
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今日、2回目の歯の治療に行ってきた。
実は、ここの歯科は私が5年前まで住んでいた家の『隣り』の歯科である。 もっとも(当時の私は)以前勤めていた会社近くの歯科に通っていたのでここは初めてだが。
そして、生前の父もここの歯科に通っていた。 それまでは虫歯などは1本もなかったが、長距離トラックの運転を始めてからは眠気覚ましのために、 ガムや飴を口に入れ始め、それが原因で虫歯ができてしまったのである。
そうだ、先生なら(私の知らない)父のことを知っているかもしれない。 そう思ったので思い切って先生に訊いてみた。
「先生。実は私、5年前までここの隣の家に住んでいたんですよ。」
「え、そうなんですか!」
「当時、私の父も先生に治療してもらってたんですよ。見かけは怖い感じで・・・覚えてますか?」
「・・・あー、Kさんですね。はい、覚えていますよ。」
「そのとき、何か話したりはしませんでしたか?」
ここで父が昨年、亡くなったことを告げてから話を続けた。
「父はここではどんな感じでしたか?」
「うーん、詳しいことはよく覚えていませんが、饒舌でしたね。」
「え、そうなんですか!」
「結構、色々な話をしていた記憶があります。」
「父は家の中では余計なことはほとんど話しませんでしたから、なんか意外な感じがしますね。」
普段、口数の少なかった父だが、ここでは何を話していたのだろうか・・・? いずれにせよ、家で見せる父の姿とは違っていたのは間違いない。
・・・色々な思いを巡らせているうちに、治療が始まった。 そうだ、ここには虫歯の治療のために来ているんだった。
今日も30分くらい奥歯を治療してもらったが、削った所が今もまだ、ズキズキしている。 この分だと、今晩も寝不足になりそうだ。
だけど今回だけは許してあげよう。 だって、この虫歯のおかげで先生から父の話を新たに聞くことが出来たのだから・・・
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