だぶるけいの活動日記
その日、ふと思ったことや気づいたことを何となく書いています・・・
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2004/06/10(木) 三行半
毎週、某局『月9』のドラマを欠かさず見ている。

主人公の父親が高熱で寝込んでいる場面を見たとき
昨年の父のことを思い出してしまい、涙が止まらなかった。


父は昨年7月中旬から、体調不良で会社を休んでいた。

普段は2週間くらい安静にしていると、体のむくみやだるさが取れて体調が回復してくるのだが、
今回はなかなか良くならなかった。
心配していたが、8月になるとむくみも減ってきたので、お盆明けの頃には体調は戻るだろうと考えていた。

だが・・・

今度は原因不明の高熱と頭痛が父を襲った。
どんなに解熱剤を飲んでも熱はなかなか下がらない。

そんな状態が2週間くらい続いたあと、今度は心なしかお腹が張ってきたように見えた。
にもかかわらず、かかりつけの医者はそれまでと同じ解熱剤しか出さなかった。

母は「腹水では?」と疑いすぐに別の病院へ行くことを勧めたが、父は頑として首を縦に振らなかった。
4年半も見続けてもらっているその先生を信じていたからである。

そしてあるとき、父はその先生に言った。
「先生、頭痛が続くし熱がずっと下がらない。どうもいつもと違う様子なんだが・・・」

元々、肝臓の治療のために通いはじめた医院だから、今回もその部分を中心に診てくれるのだと思っていた。
その日はCTスキャンを撮る日だった。

ところがである。

なんとその医者は『肝臓』の周囲ではなく『頭部』のCTスキャンを撮ったというのである!!
明らかに肝臓の病気が原因だと『素人目にも分かる状態』にもかかわらず、だ。

そして父は言った。

「先生よぉ、俺は4年半の間、先生の言うとおりの薬を飲み、点滴を打ち続けてきた。
けどよ、ちっとも具合が良くなんねぇ、これって一体どういうことだい?
飲んでる薬もずーっと同じだしよ。」

すると、その医者はこう言った。「それでは薬を替えましょうか。」

「それでは、だと。治療の効果によって薬を替えたりするのは先生の仕事じゃないか!
それを俺が替えろ、というから替えるというのは一体どういうわけだ!!」

あきれ返った父は三行半(みくだりはん)を突きつけ、その医院を去っていった。

だが、時すでに遅かった・・・。

お盆明けに別の病院で診てもらった時には、父の肝臓はすでに癌に侵され、手遅れの状態だった。
もちろん、本人にそんなことを告知することなんてできなかった。

そして翌月の入院からわずか2ヶ月で父は旅立っていった。
「あの医院での4年半は一体なんだったんだろう?」という思いとともに・・・


先生の言うことを信じて、毎日欠かさずに薬を飲み続けたこと。
週2回の肝臓治療の点滴を打ち続けたこと。
大好きだった酒を絶ったこと。

今もその医者のことを考えるだけで、むなしさと怒りがこみ上げてくる。

しかし・・・

もし、もっと肝臓についての勉強をしていたら・・・
もし、もっと父の状態の変化に早く気付いてあげられたら・・・
もし、もっと早く別の病院で受診するよう、父を説き伏せていたら・・・

もし・・・もし・・・もし・・・


今もいろんな『もし』が頭のなかを駆け巡っている。

失われた命は二度と戻らない、と分かっていても。
そして過ぎ去った時を戻すことは出来ない、と分かっていても。

たくさんの心の葛藤とともに・・・


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