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2004/06/23(水)
特別なこと
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北朝鮮によって拉致された被害者の方に関する記事が今も連日、新聞紙面を賑わしている。
その中で昨日、心に残る話が載っていた。
ある被害者の話だが、自分たちが拉致され、自分と子供たちが帰国するまでの経緯について、 「タイムマシンに乗って遅れた国(=北朝鮮)に行ったようだったが、また未来(の国=日本)に戻ってきた気分。」 と笑顔で語ったそうだ。
また、少し前にはこんな話も載っていた。
帰国してから、事あるごとにビデオカメラで映像を撮りつづけていたので、周りの人が理由を尋ねたところ、 「子供たちを(北朝鮮に)残して先に帰国したが、彼らは私たちが今、日本にいることを知らない。 だから子供たちが日本に帰ってきたとき、それまでの空白の時間に私たちが何をしてきたかを 彼らに見せるためにビデオを撮っているんです。」 と答えたそうだ。
拉致されて、日本に戻るまでの24年間の日本で起こった出来事を被害者の方たちは知らない。 そしてその間の(過ぎ去った)時間は決して戻ってこない、ということを彼らは分かっている。 だからこそ、せめて子供たちにはそんな思いをして欲しくない、という気持ちの現れなのだろう。
私たちが当然のようにこの『日本』という国に生まれ、そして育ってきたことさえ、彼らにとっては特別なことなのだ。 そう考えると今、こうして無事に過ごせていること自体が実は特別なことではないか、とさえ思えてくる。
それを当然のことだと考えるから、周りに対して不平や不満ばかり生まれてくるのだ。 今まで生きてきたことが特別なことだったんだ、と考えるとそんな不満などはいかに小さなことだったのかがよく分かる。
だから今日一日を無事過ごせた、ということにもっと感謝しなくてはいけないんだ。
そんなことを考えながら過ごした一日だった。
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