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2004/07/30(金)
氷点
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いい人生って何だろう?
いい生き方って何だろう?
そんなこと考えなくたって生きて行けるけど、ならば人間の生きる意味は一体どこにあるのだろうか?
ある人の影響で、三浦綾子の『氷点』を読んだ。
『殺人者の娘』(実際はそうではなかったのだが、詳しい話はここでは割愛する) という話を育ての母から聞かされた娘の陽子は、ショックのあまり自殺を図った。
陽子は遺書に「自分の中の罪の可能性を見い出した私は、生きる望みを失いました。」と記した。
だが、この世に罪を犯したことのない人間なんているのだろうか? いや、そのことが問題なわけじゃない。
問題なのは、それほど自分に対して正直で、まっすぐに考えることが出来るような人が何故、 死を選ばなければいけなかったのか、ということだ。
正直ゆえに、苦悩する。 まっすぐゆえにぶつかってしまう。
果たしてそれは仕方のないことなのだろうか?
『氷点』に出てくる他の人物たちが、己を悔い苦悩するのは、それに値する罪を犯しているのだから当然のことだ。
だが何故、何の罪もない陽子が家族に愛されないまま、自殺を図るまで追い込まれなければならなかったのか。 陽子の気持ちを思うと、胸が締め付けられる思いだった。
この本を読んで、いかに自分が弱く、はかない存在なのかを思い知らされた。 そしてどれだけ周りの人に支えられて生きてきたのかを、今になって思い知らされた。
人として生きていくうえで『愛』というものが、どれほど大事なものなのかを教えられた。
そんなことに今ごろ気が付く自分が、あまりにも滑稽だった。
だが、それに気付いた今、改めて自分の人生を見つめ直さなければいけない。
これからどのようにして生きてゆけばよいのか?
そして自分にとって良い生き方とは何なのか?
じっくりと考えていきたいと思う・・・
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