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2004/08/03(火)
後悔
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一昨日、彼女がこの日記を見ている可能性に一縷の望みを託して、今の自分の気持ちを書いてみた。
こういったことを書くのは自分にとって恥ずかしいことだし、勇気が要ることだから少しだけ迷ったが、 今の私にはそうするより仕方がなかった。
すると昨日、彼女からメールが来た。
だが・・・
「日記見ました。」 「私はあなたが何でも受け止めてくれると甘えていたし、あなたの気持ちに配慮できていなかったと思う。」 「ごめんなさい。」
「追伸 やっぱり人とのかかわりは怖いし難しいね。」
・・・すぐに返事を出したが、やはりメールは届かなかった。
そして帰宅後にパソコンを開くと彼女から、別のメッセージが残されていた。
「それは彼が嫌いだからでなく、彼が私を好きという気持ちにきっと私が答えられないだろうと思ったから。」 「彼の気持ちが正直でまっすぐで受け止めきれないと思ったから。」 「だけど、自分が傷つけてしまうかも知れない相手にこれ以上甘えられないとおもったから。」
彼女を守ろうと思っていた自分が、逆に彼女を傷つけていた・・・
自分がうかつにも言ってしまった『さよなら』のたったひとことのために。
心の中のもう一人の自分が叫んだ。
おい、ちょっと待てよお前!
以前お前は、「どんなことがあっても守るんだ」って、そう彼女に誓ったんじゃないのか? 「僕の気持ちはずっと変わらないから」って、そう彼女に言ったんじゃないのか?
なのに「さよなら」だと。
ふざけんな! いい加減にしろ!
お前の覚悟はその程度のものだったのか? 今までそんな半端な思いで彼女に接してきたのか?
彼女は過去に大きな心の傷を負っている。 そして今も必死になって、そこから立ち直ろうとしている。
なのにお前は何だ! 彼女に言われた言葉くらいで気持ちが揺らいだりして。
「何でもっと大きくなれないんだ?」
「何でもっと彼女を見守ってあげられないんだ?」
「何でもっと彼女を大事にしてあげられないんだ?」
彼女を救い出すことによって、失いかけている自分への自信を取り戻したかっただけなのかも知れない。 そう思ったとき、自分がたまらなく嫌になった。
こんな自分が人を救おうだなんて、おこがましい話だ。 今すぐにでも地獄に落ちればいい。
軽率に『さよなら』、なんて言ってしまって取り返しのつかないことをしてしまったのだから。
彼女に何と詫びたらいいのだろう。 彼女の気持ちを裏切る、ということがどれほど残酷で罪深いものなのかを、今ごろになって強く感じる。
もう、時間を戻すことはできないのだ。
何日か前の日記に書いた。「取り返しのつかないことがあるんだ」、と。
そして最もそれを恐れていたはずの自分が、その取り返しのつかないことをしてしまったのだ。
『氷点』の中にこんな言葉があった。
「包帯を巻いてやれないのなら、他人の傷に触れてはならない。」
その一文を見た瞬間、胸が熱くなった。
そして涙が頬を伝った。
今はまだ、頭の中で自分の気持ちが整理できないでいる。
自責の念と後悔と・・・
そして彼女への気持ちと・・・
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