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2004/08/05(木)
子供部屋
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以前も書いたことがあるが、私が現在通っている歯医者は5年ほど前に住んでいた家の隣にある。
だからここに来るたび、当時の様々な出来事を思い出す。
私が中学3年生だったころの話である。
ある高校受験の願書取り消しのために、私は川越市内にある県立高校へ向かっていた。
というのは、自分の学力からすると到底受からないだろうと思っていた、ある私立高校に 運良く合格してしまったからである。
私個人としてはのびのび過ごせる県立のほうが良かったのだが、せっかく合格したのにもったいない、 という周りの意見に流され、結局、私立のほうに進学することになったからである。
最寄りの駅を降りて歩いていると、あるマンションが目に入った。 それを見たとき、何か心にピンと来るものを感じたが、すぐに忘れていた。
当時、私の高校進学に合わせて引っ越すことになっていたのだが、それまで住んでいた家はとても狭くて、 家族4人住まいにもかかわらず、たったの2部屋しかなかった。
1部屋が居間、というか家族がいる部屋でもう1部屋が寝室だったので、もちろん子供部屋なんてものはなく、 時折、友人の家に遊びに行ったとき、自分専用の部屋を持っていたのがとても羨ましかった。
ただ、今度引っ越す所はそれまでよりも広いということだったので、待望の自分専用の部屋が 与えられるかも知れない、という期待があった。 (ちなみに事前に聞かされていたのは同じ市内へ引っ越す、ということだけで部屋数などの細かい話は 一切聞かされていなかった)
マンションを見上げながらふと、そんなことを考えた・・・
それから1ヶ月くらい後に、待ちに待った引っ越しをした。
今度住むのはどんなところなんだろう、と心踊らせながら新居(と言っても中古だが)へ向かった。 父が「着いたぞ」と言って車を降り、その家を見た瞬間に私は「あっ」と思った。
なぜなら、その場所は願書取り消しのとき、見上げたマンションそのものだったからである。 なんという偶然だろう・・・と思った。
そして「何か心にピンと来たのはこのことだったんだ」、と先日感じたことを思い出していた。
同時に、こんなことなら私立じゃなくて願書取り消しをした県立(高校)にしておけば良かった、とも思った。 ここから高校までは徒歩数分の所にあったので、もしこっち(の高校)にしてたら、早起きが苦手だった私が 朝ギリギリまで寝られる、と思ったからである。
中に入るとそれまでより確かに広かったが、部屋数自体は3つで、それまでより1部屋多いだけだった。 増えた1部屋は、待望の子供部屋になったのだが、残念ながら私専用というわけにはいかず、妹と一緒だった。
それでも、生まれて初めて自分『専用』の机が与えられたことがとても嬉しかった。
この机は今、自分専用となった部屋に置いてある。
当時のたくさんの思い出とともに・・・
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