|
2004/09/16(木)
直感
|
|
|
現在、私が住んでいる家は5年ほど前に、父と私が共同で購入した(中古の)一軒家である。 家というのは、人生でおそらく一番高い買い物となるはずなので、じっくり下調べをしてから購入するのが普通である。
ところが我が家の場合は・・・
それまで知人の不動産屋に物件の依頼や相談などをしていて、それなりの予備知識を蓄えていた。
だから過去に何軒かの物件を見に行ったときは、日当たりとか水はけなど、その場所に行かなければ 分からないことがある、という経験を積んでいた。
あるとき、この物件を折り込みチラシで見つけた時も、まず物件を見てから、ということですぐに チラシ掲載の不動産屋に連絡を入れて、一緒に物件を見に行った。
まず、近隣の相場に比べてずいぶんと割安だったので理由を聞くと、この家は競売物件だったことがわかった。 それでも土地の広さと間取りが、父と私の心を引き付けた(?)こともあり、その週末に現地を見に行くことになった。
現地に着いてから家を見ると、クリーム色の外壁にオレンジ色のかわら屋根がなかなか良い感じで、 全体の作りは和洋折衷の総2階(=構造もしっかりしている)だった。
ガチガチの和風も嫌だったし、かといってあまりに派手なのも嫌だったので丁度よいと思った。
ところが、である・・・
外観の次は室内を見て・・・のはずだったが、中には入ることはできなかった。 なぜなら、その家にはまだ人が住んでいたからであった。
不動産屋に理由をたずねたら、な、なんとこの家はまだ『立ち退き前(!)』の物件だったのだ。 その証拠に、2階のベランダを見上げると洗濯物が干してあった。
結局、この家の中は見れずじまいで終わってしまった・・・。
第一印象は悪くない。 けど、中を見れないのはちょっとなぁ・・・
すると担当の営業が私たちに『悪魔のささやき』をした。
「もし、今日中に手付け金を入れてくれるのなら(割安だったこの物件には何件かの先客がいますが、それらを) すべてキャンセルしますが、いかがなさいますか?」と言ってきたのだ。
普通は「めっちゃ怪しい?」と疑うところだが、父と私はなんとその場で即決してしまった!
その日のうちに不動産屋へ行った私たちは、すぐ手付金の数百万円を払って、正式契約をした。 家の中すら見ていないのに、見に行ったその日のうちに『数千万円の買い物』をしてしまったのである。
だが、二人は第一印象とそれぞれの『直感』で良い物件だと判断した。
今思うと無謀と言おうか勢いと言おうか、とにかく思い切った買い物をしたなぁ、と思う。
ちなみにこの家は平成3年に建てられたもので、その年は父が『家』を買おうか『お墓』を買おうか 迷っていた時期だった。 結局、バブルの名残でまだ割高だった家を断念し、お墓を購入したのが結果的に正解となった。
また、登記の時に知ったのだが、この物件は建売ではなく地元でも有名な建設業者による 注文建築だったことが分かった。 そういう意味でも正解だった(ホント結果論ですが・・・)。
その日、仕事から帰ってきた母に「実はね、今日家を買ったんだ♪」 と言ったが最初は、「ばかね、あなたたち。冗談言ってんじゃないわよ!」と相手にもしなかった。
まあ、当然のリアクションだとは思うが・・・
そして、この話が本当だと分かったときは、何度この日の経緯を説明しても母はあきれるばかりで、 「私に一言の相談もなしに、あなたたちだけでこんなことを勝手に決めちゃって・・・」 と半ばあきらめ顔だったことを、今でもよく覚えている。
ちなみにその後、妹にも同様のリアクションが見られたのは言うまでもない・・・(汗)
今でこそ「良い物件で良かったわねぇ」と言ってくれてはいるが、当時の母の言い分はもっともだよなぁ、と思う。
・・・ということで、みなさんはくれぐれもこんな家の買い方をしないで下さいね(するわけないか!)。
もし『直感』が外れてたら、とんでもない買い物になってたはずなので・・・(苦笑)
|
|
|