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2006/03/03(金)
失敗の年月
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二俣川駅のホームで、白杖を持ったおばあさんが、点字ブロックを確認しつつ一歩一歩ゆっくりと歩いていました。階段からは、女の子たちがダダダーと電車に駆け込んでくる。 ぶつかったら危ないなあ…と思いつつ、かつての自分自身の失敗を突如思い出しました。
以前勤めていた職場で、視覚障害の年配の女性をエレベーターまで案内した時のこと。慣れない動作でぎこちなく案内し、女性が無事エレベーターに乗った時はほっと一安心… と思いきや。その人は上のフロアの食堂へ向かうのに、エレベーターは下りだったのです。 「ああああ〜!!」ぼくが叫ぶとほぼ同時に、ドアは閉まってしまいました。 慌てて8階から1階まで階段を駆け下りると、女性は仁王立ちして待っていた。いや、実際に仁王立ちはしてなかったでしょうが、私にはそう思えたのです。
「あなた、福祉の仕事を始めて何年になるの? 1年ぐらい!?」 「あの…(2年なんですけど…とてもそうは言えない……)」 「1年もやっててこんなんじゃ、話にならないわよ。ちゃんとした案内ができないんだったら、やってもらわない方がいいんだから」
この時は本当にへこんでしまいました。あれから5年以上が経ち、職場は変えつつも福祉の仕事を続けています。 しかし、「ちゃんとした」仕事が出来ているかというと、正直言っていまだに自信がありません。この時のようにはっきり指摘されることはほとんど無いのですが、だからこそ、日頃接している人々に、知らず知らずのうちに我慢を強いてるんじゃないかなあ…。 そんな事をぐるぐると考えつつ、電車に乗っていたのでした。
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