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2007/06/14(木)
暗く重苦しい昼下がり
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京急に乗ったら、「ステーションアテンダント募集」という中吊りが出ていました。通常の駅係員を「サービススタッフ」、案内専門の職員を「ステーションコンシェルジュ」と呼ぶらしい。 どうしてこんなに横文字連発するのだろう。よく読むと、単に契約社員の駅員を募集、ということみたいなので、契約社員よりもアテンダントと呼んだほうがなんだかカッコいいと思ってたくさん応募してくるぞ、という思惑もあるのでしょうが、「ドアを閉めマース」「前方ヨーシ」「側面ヨーシ」の質実剛健、無骨きわまりない京浜急行だったわけで(勝手なイメージか??)、なんとなく違和感ありありなのです。 相鉄も、間違っても「我が社もイメージアップを図りましょう」などと考えて、案内係をステーションコンシェルジュに変えないでいただきたい。だいたい、案内係のおじさま方、コンシェルジュなんて感じの人ひとりもいない気がしますが。…などと書くと怒られてしまいそうだ。
話は変わって。 気まずい空間に意図せず居合わせてしまう、という経験は誰でもあると思います。かつて、私がステーションコンシェルジュ…ならぬ単なる駅バイトをやっていた時。鼻歌まじりにホームの掃除をしていたら、高校生の男女が、階段裏の目立たない場所で何やら重苦しい空気で話していました。 「お父さんが堕ろせって言っても、わたしは産むわ」 女の子の、決意を秘めた真剣な目に射抜かれたように、男の子は黙りこくっています。この強さの前に、男はなす術も無いのでしょうか。私も、聞こえない振りをして掃き掃除を済ませつつ、とっととその場を去るしか無いのでした。
そんな事を思い出させた今日の話なのですが。とあるマックで遅い昼飯を食べていた時。 斜め向かいの席から、何やらただならぬ空気が漂ってきたのでした。20代ぐらいの男と、40代ぐらいの女性が向かい合って座っています。女性は声をひそめつつ、しかし確実に怒りに満ちた口調でひたすら話し続けている。男はじっと首を垂れつつも、時折「それは違う」と反論し、その度にやり込められてしまっている。 こういう時についつい聞き耳を立ててしまう悪い癖なのですが。断片的に聞こえてくる単語からわかったのは、どうも離婚に関する話らしい。怒り続ける女性は、どうやら男性の実の母親で、怒られ続ける男性はどこか幼い雰囲気だが、子どももいるようだ。 「子どもはどうするの!それで父親としての責任を果たせるつもりなの!!」「離婚調停なんて!出来るわけないでしょ!!」 私の席の向かいのテーブルで、参考書を広げて勉強していた女の子。とても勉強に集中できない様子で、困惑したような視線は斜め上の天井に向かっている。何ともいたたまれない。「いやー、困っちゃいますよね、わははは」と話しかけたい衝動にかられますが、そんな事出来るはずも無く。どうにも間抜けなほのぼのBGMだけが、虚しく流れ続けていたのでした。 …とりあえず、マックでする話じゃないでしょ。
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