|
2012/03/27(火)
わがまま鉄道旅情
|
|
|
日曜日。家でゴロゴロ寝ていても、体にも精神衛生上にも良くないので、えいやっと思い切って出かけることに。根がナマケモノなので、それなりの思い切りが必要なのです。 今回行き先に選んだのは千葉。1,800円で千葉県内のJRとローカル私鉄に乗れるフリーきっぷが発売されていると知り、それならばと出かけたのでした。そんなわけで、久里浜からフェリーで対岸の金谷へ。まさに天気晴朗なれども浪高しで、揺れる揺れる。東京湾でこんなに揺れたのは初めてです。
浜金谷の駅は、対岸の久里浜が大都会に思えるほどの小駅。ここでフリーきっぷを買い、内房線・外房線を乗り継いで、南房総を回ります。車両は京浜東北のお古の味気無いステンレス車。でも、ガラガラのロングシートに腰掛けて、目の前の大きな窓ガラスから見える海や菜の花の景色を一人占めしていると、これはこれで悪くないと思えました。 途中で、酔っ払ったおじいさんが乗車。離れていたにも関わらず、酒臭さが漂ってきました。まいったなあ…と思っていると、今度はなんと煙の臭いが漂ってきた。どうもこのおじいさん、車内に灰皿が備え付けてあった頃で時間が止まっているみたい。
まいったまいったと大原駅で下車。ここから、房総半島を横断する私鉄(正式には第三セクター)、いすみ鉄道に乗車します。いすみ鉄道の小さな駅舎に入ってびっくり。切符やおみやげを買い求める観光客でいっぱいなのです。20年ぐらい前に乗ったいすみ鉄道は、乗客もまばらなローカル線だった記憶があるのに…。 発車まで時間があるので、駅近くで一軒だけ開いていたレストランに入りました。ここも列車待ちのお客さんでいっぱいでした。店員さんはてんてこまい。男女2人で入った客に、特急の時間に間に合うかと聞かれても、要領を得ません。さらに店主のおじいさんが出てきて、「カキフライセットのご飯を切らしてしまいました。代わりにトーストをつけますけど、値段は同じでいいです」などととんちんかんなことを言っていたので、女性客、「あのさ、カキフライとトーストって、合わないよね!?」とキレかかっていました。 でも…地方に観光に来て、東京と同じようなスピードとサービスを求めていらつくのもどうなのかなあ。そんなことを思いつつ、チャーシューメンを食べていました。
いすみ鉄道の列車は本当に賑わっていました。公募で決定したという社長がなかなかやり手の人で、いろいろ観光路線としての話題作りに取り組んできたそうなので、それが功を奏してきたようです。日本全国、本当に寂しくなるほど閑散としたローカル路線がたくさんあるので、これだけ多くの観光客が訪れているのは喜ぶべきことなのです。でも、旅情を感じるという意味では、ちょっとばかり寂しいほうがいいわけで…まあこれはワガママというものですが。
途中の上総中野という小駅で、小湊鐵道という私鉄に乗り継ぎます。こちらはいすみ鉄道とは対照的に、なんら観光PR色無しといった感じの路線。しかしそれが逆に、時代に取り残されたような駅舎や車両を残し、観光客や鉄道マニアに喜ばれているのだから面白いです。年代物のディーゼルカーの車内では、今風のアテンダントとは別物の昔ながらの制服を着た女性車掌が、素早く車内を回って検札をしていました。 それにしても、最近はマニア以外の一般人も、鉄道を被写体にしてカメラを向けるんですね。カメラ小僧ならぬカメラ女子もけっこういるんだなあと思いました。時代が変わってきたんだなあ。
|
|
|
|