|
2020/07/05(日)
いだてん名セリフ集(第34回〜第36回)
|
|
|
◆第34回「寂しくなかこつ、あるわけなかろが!」(池部幾江) 226事件の回。前半はこのドラマでは珍しく、ほとんど笑いゼロの緊迫した雰囲気。しかしシナリオ集に載っていた演出家の座談会で、この回の担当者が、まーちゃんが怒りながら菊枝さんに言った「新婚旅行はいずれ行く!いいか、世界一周だ!」というセリフをカットしたことを、クドカンさんがラジオで怒っていた…といったことを話していました。緊迫感を出したくて敢えてカットしたのだとは思うけど、ここでちょっと緩めるのもこのドラマの持ち味だし…セリフの取捨選択は難しいです。 さて、選んだのは、嘉納先生に呼ばれて東京へ行くことを話した後、「俺なんか、おらんでも寂しくなかでしょうが」と言った金栗さんに対して、激昂しながら幾江さんが言ったセリフ。この後も長いセリフが続くんだけど、いいんだよなあ。金栗さんじゃなくても泣いちゃう。
◆第35回「それじゃダメかね、金栗さん?」(黒坂辛作) ベルリンオリンピック開幕。画面の色がグレーがかって、陰鬱さが際立ちます。選んだのはハリマヤの辛作さんのセリフ。マラソンで1位と3位を勝ち取った朝鮮出身の孫選手と南選手。流れる君が代を聞きながら「どんな気持ちだろうね」と慮る息子の前で、「俺はうれしいよ、日本人だろうが朝鮮人だろうがドイツ人だろうがアメリカ人だろうが、俺の作った足袋履いて走った選手はちゃんと応援するし、勝ったらうれしい」。そして上記のセリフへと続きます。 取ってつけたようなアリバイ的なセリフだと批判する方もいるでしょうが、いまのご時世で、こうした話をスルーせずに取り上げること自体、きちんと評価したいと思います。
◆第36回「アレしてもらってダンケシェン!」(田畑政治) なんと、第4回以来の録画失敗…。「前畑がんばれ」の重要回なのに…(泣)。 やむなく、シナリオ集を読んでセリフを選びました。選んだのは、まさかのヒトラー登場で、まーちゃんがラトゥール(IOC会長)の「日本はヒトラーに感謝したまえ」という言葉を思い出して叫んだセリフ。「ヒトラーさん!オリンピックを東京にナニする件では…(上記のセリフに続く)」。もともと「笑って泣ける」ドラマでしたけど、「全然笑えない話なのに、笑ってしまう」という新境地に達したように思えました。そしてオリンピック終了後、ユダヤ人通訳のヤーコプが自殺したと聞かされる…辛すぎます。 さて、次週は(もう再放送も終わってるんだけど)、いよいよこのドラマの山場とも言える回が続きます。
|
|
|