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2021/06/27(日)
ダメ患者とおじいさん先生
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先日、スーパーで買い物していたら、舌の上で何やらコロコロ転がる物体が…。これはもしやと思ったら、案の定、外れてしまった歯のかぶせ物でした。 歯医者へ行かないとならないが、二俣川から横須賀に転居して十数年、いまだかかりつけと言える歯医者が無い。歯石を取りますと言って何度も通わされたり、レントゲンで他の虫歯を見つけてはガリガリ削られたり、先生が妙に不機嫌だったり…。で、こうして歯医者を転々としているダメ患者なのです。
今度はどこで診てもらおうかな…と土曜日にやっている歯医者をポチポチ検索していると、自宅のすぐ近くにある歯医者がヒット。しかし、ここの歯医者さん、10年以上前に歯が痛くなった時におじいさん先生に診てもらったら、どこが虫歯なのかわからず、「次回までに冷たい水とか飲んで虫歯の位置を特定してきてください」と言われ(えええ〜??)、結局行かなくなり、半年後に別の歯医者で「だいぶ重症の虫歯ですねー」と言われガリガリ削られる…という憂き目に遭った苦い(というか痛い)思い出がある所だったのです。 しかし、今回は外れた金属を被せるだけだから、どこだかわからないことは無いだろう。そして、積極的に虫歯を発見して削られたり、歯の磨き方をチェックして怒られたりすることも無いだろうから、むしろ好都合かも知れない(絵に描いたようなダメ患者です)。そんなわけで、ポチっと予約したのでした。
そして、迎えた土曜日の夕方。歯医者のドアには「只今昼休み中です」の札が。ドアは鍵がかかっていて開かない(どうなってるの!?)。どっか出かけちゃったのかと思ったが、診察室の明かりはついている。電話をかけると、老人の男性が出た。 「あのー、4時から予約している者ですけど」「どうぞ、入ってきてください」 「いや、入れないんですけど…カギかかってて」「ああー、昼休みのまま忘れちゃった」
10年以上前の印象より、さらにおじいさんになった先生が玄関に出てきました。 「今日は助手が休みでね。最近、帰る時も鍵をかけ忘れて帰ることが2度や3度じゃなくて。翌日、助手に『鍵かかってませんでしたよ』と言われるんだけど。もうボケてるのかも知れない(笑)」 「いやいや、そんな…」 …そんなことありません、と言えませんでした。
先生、話好きみたいで、治療中にいろんな昔話をしてくれました(こっちは口を開けているのでハーとかフーとかしか言えない)。親父が青函連絡船の建造に携わったとか、昔はこの一帯はガラが悪くて小3の時からタバコを吸っていた、中学になって引っ越して清々したとか。疎開も経験されたそうなので、少なくとも80歳以上か…。 「かぶせ物はすぐ外れちゃうでしょ。外れないと歯医者がつぶれちゃうから(笑)。また来てください」 …いや、先生まだボケていないな。外れたらまた来ます。
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