プレハブの居間
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2010/04/07(水) タイムパラドックス3〜アフロディア追想
※アフロディアの不安定さ
父母を無くして涙する可憐な少女が、なんであんな極悪非道の女になるのか、、、
それはずばりガットラーとの関係が歪んでいるからです。
父母を亡くし路頭に迷った幼い姉弟を救ったのは、昔父の部下であった男性で、彼女はそれを無条件の愛と純粋に信じたんです。彼女にとってガットラーは恩人であり父であったわけですが、ところが思春期になって、両親の死の陰謀に関わっていたという疑いを抱くことになります。彼女は葛藤の末、彼がそれまで注いだ愛を信じることに決めたという流れでした。
その時おそらく最初にガットラーと彼女が一線を越えたと類推できる描写が、酒井氏の小説にあったと思います。ただ、ガットラーは彼女を完全に支配するのが目的だったので、その後はマリンが要塞に入り込んだ時までは関係はなかったのではないかと思います。その方が、その後の彼女の説明がつけやすいので。

私は、アフロディアはそれまでのガットラーとの関係が変わったことが、彼女のアイディンティティにスプリットが生じさせ、後の不安定さにつながったのではないかなと思います。 源氏物語の紫の上でさえ、養父が夫に変わったことがトラウマになってましたが、アフロディアは自分が信じた無条件の愛が、実は愛人という契約関係を前提とされていたと悟った時、彼女は敬愛した理想の父像を喪失します。自らも功利的な男女関係に身を落としてしまいますが、彼女がそういう自分をうまく統合できるほど、タフではないことがだんだん破綻していく理由ではないかと思います。
彼女は自分を捧げることで、強大な権力による安全と弟の後見を得るしかなかったのですが、ここでミランの存在が大きく影響していた気がします。
ミランが生きていたうちは、ガットラーの寵愛を得ることが、弟の将来のための自己犠牲だと、どこかで彼女は正当化できます。彼女は自らの心の清らかさを守ることができていたんです。ところが、ミランがいなくなった時、弟のためではない彼女自身の人生と向き合わなければならなくなり、自分とガットラーとのいびつな関係を否が応でもつきつけられ、ひどく狼狽するわけです。
彼女はその問題に向き合うのを恐れるから、「弟の仇をとる」と異常なまでのこだわりを見せて、結局弟に依存して問題をごまかそうとしてるように見えました。

彼女が見たくない自分とは、実は、かつて父だった人、けれど男性として愛してもいない人に囲われている自分の「不純さ」ではないかと思うのです。。
守るべき弟がいなくなった時、ガットラーの支配を受け続ける理由を失ったタイミングで彼女の心を捉えた青年がマリンだったのではないでしょうか。
穿った見方をすれば、彼女が年下の男性を求めるのは、ミランの代償を得たいのと、汚れた年配の男性不信から来るものかもしれません。
また、彼女がフェミニストを求めるのは、彼女は軍の多くの男性の中にいて、好奇な眼に晒されることが多く、いわゆるセクハラに辟易していたからと思われます。女を捨てたと口で言いいつつ、女性としての尊厳を守ってくれる男性を求めたからかなと想像したりもします。

アフロディアが精神的な純潔さにこだわっていることは、劇場版や酒井氏の小説版で象徴的に描かれています。マリンに恋心を抱くアフロディアを再度支配するため、ガットラーは彼女と強引に関係を結びますが、結果的に彼女は精神と肉体の分断される苦しみを知り、本当は誰を愛しているかに思い及ぶわけです。
それ以後、彼女はガットラーの支配を逃れようとしますが、同時にそれが彼女の身の破滅でした。

確か、劇場版のキャッチコピーに「愛しているとなぜ言わないのか」という英文があったような気がします。それは彼女にはいえません。彼女は自分にその資格がないと思っているからです。ジェミーのような罪もない汚れない少女こそがマリンにふさわしく、自分はその対局にいる薄汚れた存在だと思っているからです。けなげだなあと思えて、彼女が好きでした。
考えてみれば、バルディオスの3人の女性の中で、素直に自分の気持ちをぶつけて、愛を求められるのはジェミーだけだという、、、、一人は偽りの愛人関係ゆえに、一人は愛した相手が妻子ある男性だったゆえに、、、、
そのあたりのメロドラマが作品にはまって、いい年こいても今なお語れる理由です。
 
もうこの話題は古いかもしれないのですし、皆様のとらえ方も変わっているかもしれないですが、つい思わず夢中で語ってしまいました。

30年近くも前の記憶だけが頼りで、一切何も残ってない中でしたので、独りよがりや思い違いもあるかもしれません。でもなんか不思議とバルディオスへの愛は、消えないですね。
故塩沢兼人さんもずっと好きな声優さんでした。


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