プレハブの居間
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2010/04/08(木) タイムパラドックス2〜アフロディア追想
何ももう手元にないので記憶だけですが、語らせて頂ければ幸いです。
小説3作、劇場版はだいたい覚えていますが、TV版は完全に全部まだ見ていない気がするので、この機会にDVDを探してみようかなと思っております。ムック本もたいがい当時読んでたと思いますが、愛蔵版や後年発売されたDVDのブックレット等は未見です。
あくまで私見です。押しつけではありませんので、あしからず。

この作品が完成度の低い作品であるにもかかわらず、私の生涯を通じてなぜか一番心に残っているのです。その理由は、私の場合悲劇のヒロイン・アフロディアのキャラの魅力でした。映画や他のアニメでも、ヒーローと戦場で出会った年上の美しい悪女が、敵として憎みながら最後は主人公に愛を抱き、死んでしまうという似たようなネタはごまんとあって(009とかハーロックにもあったなあ。肉親の仇ではないですが、Zのカミーユとフォウはこの影響受けてそうと思ったり)、元々そういう話が好きだったのですが、中でもバルディオスは突出して忘れられないドラマでした。

この作品の主題は究極、「愛する者を殺された敵同士が、憎しみを乗り越えて愛し合えるのか?」というテーゼにあり、結論として悲恋ではあるんですが、「愛し合える」という人の理想を示唆した作品だったと思うんです。
TV版でも劇場版も小説版もそのオチだけは一致していて、マリンとアフロディアは互いに愛し合い、許し合って終わったと捉えられると思うのですが、、、。
現世では結ばれなくても、一切の罪を許された世界でなら、二人は結ばれてしかるべくだと個人的には思います。。

酒井氏の小説で、むしろジェミーの求愛を退ける理由の一つとして、マリンが彼女の子孫の可能性がある以上、歴史の保存を考えていたと記憶しております。だから仲間意識はジェミーに対してで、アフロディアはマリンのオンリーワンの女性として終盤は描かれていたように思います。
アフロディアの極悪ぶり告発が非常に面白かったのですが、逆をたどれば実はそれがこの作品を悲劇に終えるために、絶対必要な条件ですよね。彼女が極悪非道の所業を繰り返したから、因果応報自業自得により終盤の悲劇へと向かうわけです。
さんざん悪行三昧の悪人が、最後に改心して、視聴者はカタルシスを得られる物語パターンで、古今東西よくある筋ではあるんですが、、、。
問題は、マリンはなぜあんなバカ女に本気で?、という疑問ですよね(笑)

マリンの眼には、アフロディアの隠れた善良さが映っていて、彼女の所業は彼女自身の意志によるものでなく、ガットラーの支配によるものだと、彼女の悪行が彼女の本質を表すものではないと信じているからでしょう。その内面は彼以外には見えていないので、いろいろ周囲と行き違いが生じるんですが、少なくとも彼は(おそらくカイザーも)アフロディアが必要以上に悪女を演じていることを見抜いているんです。
それとやはり美人だったからでしょうね(全く男は!))というか、その美しさが表面だけではないと彼は思ってることでしょう。
またこれは決め手だと思うのですが、カイザーもマリンも、アフロディアこそが彼らの最も憎む男、ガットラーの最大の被害者であることを知っているから、最も救済したいかわいそうな存在だったのでは?と思います。
またマリンは彼女に対し、弟を殺してしまったという負い目を持っているのも見逃せないポイントだと思います。。

アフロディアがマリンに惹かれる理由は、一言で言うと「美男子でフェミニストだったから」。恋って単純??;;;
というか、なぜ彼女がフェミニストに惹かれるかというのにも、その必然性はあると思うんです。端的に言ってそれまでの男運が悪かったからでしょう(笑)。

アフロディアの描き方はライターさんによって、多少味付けが違ってました。一番愚かしく融通の利かない女性として描くのは酒井氏で、感情移入しやすい内面は可憐な女性として描くのは、首藤氏だったと記憶しております。酒井氏のアフロディアの描き方に不満を感じながら、一方で対照的にマリンの男らしさが際立っていて、なおかつその愚かな女を実は彼が強く愛しているという描写をしてたのも酒井氏だったんです。
アフロディアは首藤氏、マリンは酒井氏がいいなあとか、当時思ってました。
なんとなくこの作品テイストとして、水戸黄門の風車の矢七と親の仇とねらうお新のような(知ってます?)、江戸川乱歩の傑作「黒蜥蜴」の明智小五郎の女盗賊の関係を連想させられて、マリンはある種ありがち、ステロタイプの陰のあるヒーローでしたが(ボトムズのキリコに似てません?)、けれどアフロの方はなかなか類をみないキャラだった気がしてます。


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