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2004/09/30(木)
陽のあたる教室…の巻
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昨日、ある用事で母校の小学校に顔をだした。 そこにはもうすでに夜8時だというのに 私の恩師の先生がいた。
彼女は私、バンマス、南さんが小学校時代所属していた オーケストラ(特設管弦楽クラブ)の先生だ。 もうかれこれこのここに来て20年が経とうとしている (95〜98年まで千駄木の方にいたが…) が今でも全然変わらない顔とパワーを持っている。
その先生が私に弱音を吐いてきた。
その原因は先週23日に行われたこの世界で言う甲子園みたいな大会 「TBS子供音楽コンクール」の予選で2年連続で次の大会 ”東日本大会”に足を運べなかったということであった。
何を隠そう私の母校のこのクラブは 世界的なピアニスト”M・アルゲリッチ”、韓国の世界的指揮者”チョン・ミョンフン”らと演奏したりと知るひとぞ知る学校になっていたのだ。(もちろん土台は俺らね!) しかも先生はその前出のコンクールに日本一にならなかったにしろ 11回連続で”東日本大会”に出場さしていた! (ちなみに私たちの代の次の年、悲願の初出場を成し遂げた!)
これは本当にすごいことなのである。 しかも11回といっても始め7回の後、4年間違う学校へ赴任して帰ってきてからまた連続で出場したのである。 どんなにすごいかというと…例がうかんだがあまり面白くないのでふせておく。
しかしそんな実績をもつ彼女が昨日はちょっと違っていた…。
原因としていろいろ上げていた。
年齢であったり、今の子供の気質であったり、音楽の技術的なことであったり、音楽の編成のことであったり…。 しかし僕は答えはもっと眼の前にあると思った。
去年、出場できなかった話を聞いたときそれはちょっとした気の緩み だったり運だったりしたと思ったがそれが2年続いたとあらばそれは 根本的なところに原因があると思う。11年連続出場したのも理由があるように…。
このクラブは先生の人柄もあってかとにかく元気がいい。 言葉を変えれば思いっきりがいい。 僕はそこに全てがあるのではないかと思う。
技術的なことは経験が圧倒的なアドバンテージとなる。 しかし我が母校が今まで出場してきた大きな武器は みんなのひとつになったときの”爆発力”だと思っていた。 みんな楽器を始めてから数ヶ月、数年という子供たちである。 そんな彼等を舞台に上げて見ている人を感動させることが できるのはそれ以外にないと思うのである。 爆発力のためにはそれを作る下地が必要だ。 野放し状態になっては爆発の方向性がバラバラになってしまう。 その下地を先生が上手い手綱さばきで本番にもっていく。 そして本番全てを忘れて本番思いっきり自分が楽しむ!
特設とはそんな場所だ。 そんな音楽だ。
音楽的には稚拙かもしれないがそこに何かを与える。 ”うまい”といわせるのではなく ”いい””よかった”といわせる演奏。
それが我が母校のクラブである。
確かに先生も歳をとった。 しかし歳をとったことが原因にはなるまい。 若さをうしなったから経験を、知識を、たくさんの教え子を もつことができた。
何かを得るということは何かを失うこと。 その逆もまたしかり。
今こそ”原点回帰”!そう思った。
私の恩師は妥協しない今では男でもこんな人あまりみたことが ないと思わせるバイタリティーあふれる人物である。 来年はどうなるか? これは残り少ないであろう彼女の最後の輝きのための 助走なのではないだろうかと思った。
これをバネに最後に花咲かせてもらいたいものだ。
このクラブは僕の人生、人前で何かをやる原点を与えてくれた かけがえのないクラブだ。
歳をとった私も心からそう思う…。
がんばってください…。
主宰・佐藤 秀樹R
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