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2004/10/05(火)
笑の大学
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ひとつの出会いによって運命がかわることがある。まあ、私の人生でも、多大な影響をもたらした出会いは数あれど、この「笑いの大学」という芝居との出会いが一番の運命の分かれ道だったと思います。
その時私は中学生だった。その日はたぶん正月だったので、夜更ししていた。父がチャンネルをぱちぱちしていると、衛星放送で芝居をやっていた。見てみると、西村雅彦がでていた。当時は西村雅彦といえば=今泉(か、徳川家康)て時代である。もしやと思い新聞を見てみると脚本三谷幸喜とかいてあった。もう、その時点で古畑任三郎のファンだった私は、三谷さんという脚本家の存在は知っていたし、面白い脚本家だとわかっていたので、見てみるかと見始めると、これが面白いのなんの。ここまで笑ったのは生まれて初めて、というか作り物をみて(現実におこった、周りの友人がやった馬鹿なことなら、もっと可笑しいことはあったけどね)こんなに笑ったのは後にも先にもないくらい笑った。衝撃をうけた。
確かに私は、恥がないので昔から学芸会の劇では、つねに1番笑いをとれるおいしい役(主役はやらないところが、小学生のくせにこづるい)やってたし、当然クラス1うまかったし、お楽しみ界とかでは小学校時代から脚本書いていた。また、母が劇団四季のファンで、札幌に来たやつはほとんど見てる(小2でキャッツ。小4でオペラ座の怪人を見てるってのも考えてみりゃすごいな)から、一般人に比べりゃ確実に芝居が好きなガキだった。しかし、それまでは高校に入ったら演劇部に入ろうとか、ましてや大学、プータローになってでも芝居がやりたいなんて考えたこともなかった。
しかし、「笑の大学」との出会いがすべてを変えた。この世の中にこれほど面白いものがあるのかと衝撃をうけた。元々私は笑い好きで、ギャグ漫画やコント番組を好んで見ていたが、中学に入りそれらに飽きてきた頃、芝居という手段でこれだけ笑いというものができると知った時、私はこんなことがやりたいと思った。それまでは学芸会・文化祭レベルのくだらない童話や生活劇とかしかしたことがないので、役者としてこういうおもしろくてスタイリッシュな芝居がしたいと思った。また、小さい頃からお人形遊びやや友達と話つくるのが好きで創作欲が強いガキだったので、すぐさまこんな本が書きたいと思った。
翌年「笑の大学」は再放送されたので、ビデオにとって保存版にした。高校に入り、顧問の中島先生と最初に話した時、緊張してうまく話せなかったが(見た目はすごいかっこいいのに、威圧感がある人だからぱっとみ怖いんだ、あの人は)、私が「笑の大学」で芝居をやろうと思ったと言ったら、先生もあれはいい作品だと言って話が盛り上がり、安心して演劇への道の第一歩を踏み出せた。高校時代とりあえず、手当たりしだいに薦めた。部長時代は部長権限で勝手に「今日の練習はビデオ鑑賞だ」と言って、後輩に見せたこともあった。
さらに大学に入って掛川と出会って、彼もこれを見て芝居をやろうと思ったというのを聞いた。さらには、ニットの松岡さんもそうらしい。そして、なんとハラダさんまでもがそうらしい
で、今日はリャンワークショップ男5人で、笑の大学上映会をすることにした。勝二さんは前見たことはあるそうだが、ハラダさんも絶賛してる作品ということで、みんな前々から興味があったようで、飲み会をしたいということもあり、それならついでに二つまとめてやろうってことで、岸田宅での開催が決定した。
そして、上映開始。大の男5人が声を上げて笑う。前見てるはずの勝二さんと私も大爆笑。そして、最後のシーンになるとみんなほろっとしていた。私も久々に見たが、芝居や笑いへの意識が高まった今見ると笑いよりも泣けた。三谷さんの笑いへのこだわり、愛情がひしひしと伝わってきて感動した(三谷さん自身は単純なコメディとして書いたから感動されるのは迷惑と言ってるらしいが)。終わったあと笑いというものをテーマにいろいろ話し合った。高野君の才能はうらやましいし、岸田君の発想力もうらやましい。勝二さんが今まで見たこともないくらいえらい酔っ払って、すさまじい提案をしまくてった。本当に笑いはすばらしいものだと思った。
もちろんコメディとしても改めてすごいと思った。抜群のセンスある台詞。本人たちはふざけてないのに笑える台詞。客席から拍手がおきるのは見事だろう。役者も近藤芳正の必死さと、西村雅彦の時折みせるかわいさがすごい。二人芝居でこれだけもたせるんだからすごいわ。
飲み会の方はといえば、岸田君が大胆発言したり、えらいハイテンションの勝二さんの暴言人物評価など、5時までエライ盛り上がった。楽しかった。
さて、ここまで書いてどんな話か気になる方は、自分で調べてください。と、なんとこの作品役所広司と稲垣吾郎で映画化され今月30日から公開するそうです。はっきりいって、絶対舞台版を超えられるとは思いませんが、そこらへんからチェックしてみらどうかしら。
映画会社の回し者か、俺は
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